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オリ主達の禁則事項
交差点の中心で理不尽を叫ぶ少女
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禁則事項第参条

 オリ主は世界を超えて人を呼び寄せる事、送り込む事を原則として禁止する。
“原則”となっているのは、二つの世界の接触が必ずしも悪影響ばかりではない事と、後天的な諸々で世界を渡れるようになる人間の為であり、その原則を外れる例外に該当するかどうかの判断基準の全権を大母神から秋晴に預ける事とする。

―――――――――――――――――

 第参条はオリ主の中には世界を渡る能力を求める人間がいて、そういった連中のための禁則事項である。
 本来ならば、世界を渡るのは神の所業なのだが、オリ主が世界を跨いだとき、召喚前の世界との間に特殊なラインが形成されてしまう。
 オリ主と言う特異点を基準とし、神の能力補正を加える事で、元の世界限定ではある物のオリ主による異世界移動が可能となるのだ。

 そう…たとえば地球と言う世界…その東京と言う場所に…ピンクブロンドの髪を持ち、プリーツスカートに白シャツ、その上に“黒マント”を羽織ると言うまるで“魔法使い”のような恰好の…いてはならない人間がいたりすると言うような事が起こる。
 …起こってしまった。

「な、何なのよこれ…」

 少女は、いきなり現れた圧倒的な光景にその目を限界まで見開いて唖然とした。
 見上げるような巨大な建造物は、彼女が知る最も大きな建造物である城より巨大で、道は呆れるほどに広い。
 彼女が知る通とは、大通りであってもこの数分の一の横幅しかない。
 しかも、その道には馬車に似た、しかし牽引する馬を持たない“箱”が走っている。

 しかも箱は四方にいて、威嚇するように自分を囲んでいる…彼女には知りようがないし、知っているはずの無い知識ではあるが、威嚇されているように見えるのは彼女の勘違いだ。
問題がるのは彼女のいる場所である。
彼女以外の人間はそれに気が付いている…少女は大通りの交差点、そのど真ん中にいたのだ。

「■■■■!!」
「え?何?」

 箱の中にいた人間が、彼女に何かを言っている。
 それは分かるのだが、聞いた事もない言葉だった。
 当然理解など出来ない。

「き、キャ!!」

 次いで、箱の出す音なのか大きな音が周囲から上がる。
 それがクラクションと言う物であり、そこにいると危ないからどけと言う意味のリアクションなのだが、当然のごとき彼女には分からない。
 それどころか耳障りな音に恐怖を感じた少女が、マントの中から取り出したのは木で出来た杖…マントと合わせて見ると、本当に魔法使いのようだ。

「ば、馬鹿にして、これでも貴族の端くれよ!!わけわかんないけど、背中を見せたりはしない!!かかってらっしゃい!!」

 最悪な事に…彼女はクラクションを自分に対する威嚇ととったらしい。
 高らかに、誇り高く宣言す
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