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ピーターラビットのお父さんのお話
第五章
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「何とか逃げないとね」
「駄目だからね」
「穴の中に入ろう」
 お父さんはグスタフさんに言いました。
「すぐにね」
「よし、じゃあね」
 グスラフさんはお父さんの言葉に頷きました、そうして。
 二匹はその穴の中に飛び込みました、そして穴の奥まですぐに潜り込みました。するとです。
 穴の外から犬の声が聞こえてきました、グルルととても恐ろしそうです。
 グラハムさんはその声を聞いてです、お父さんに言いました。
「いるね、外に」
「うん、僕達を探してるね」
 お父さんもグラハムさんに応えて言います。
「間違いなくね」
「そうだね、僕達がここにいるってことは」
「わかると思うよ、犬の鼻は凄くいいからね」
 それこそ兎のものとは比べものにならない程です、だからです。
「僕達のこともね」
「すぐにわかるね」
「うん、だからね」
 それでだというのです。
「暫くはここにいないとね」
「危ないね」
「幸いここには穴熊もいないし」
 見ればいません、今は留守なのかもう使っていない穴なのかはわかりませんが。
「暫くはここにいよう、犬も入って来れないし」
「そうだね、それじゃあね」
 グラハムさんもお父さんの言葉に頷きます、そしてでした。
 二匹は穴の奥で息を潜めて隠れました、耳だけそばだてて。
 犬の声は穴の入口からずっと聞こえています、それを聞いて二匹は犬が自分達がここにいることがわかったことがわかりました。
 だから余計に息を顰めました、するとです。
 遠くからマクレガーさんの声が聞こえてきました。
「おい、もう帰るぞ」
「ワン」
 犬はご主人の言うことを聞くものです、それでなのでした。
 犬もお父さん達を諦めるしかありません、それで今はお父さん達が隠れている穴の前から去りました。犬の気配が遠くに消え去っていったのを確認して。
 そしてでした、お父さんはグラハムさんにそっと囁きました。
「行ったみたいだね」
「うん、そうだね」
「僕達助かったみたいね」
「けれどね」
 それでもだとです、グラハムさんは慎重な声でお父さんに言います。
「油断は出来ないよ」
「そうだね、じゃあ」
「そっと外に出てね」
 そうしてだというのです。
「入口を確かめてね」
「それからだね」
「お家に帰ろう」
「それぞれのね」
 こうお話してなのでした、二匹はそっと入口の方に出てです。
 きょろきょろと周りを見回します、ちゃんと耳も立てて音も聞き逃しません。
 そうして犬も他の危険な生き物もいないことを確かめてからです、二匹は顔を見合わて頷き合ってからそれぞれのお家に帰りました。
 お父さんはお家に帰ってお母さんに今日起こったことを全部お話しました、ピーターや子供達はもう皆ぐっすりと寝ています。

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