暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
天秤崩す者 〜Dea deletionis〜
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あの小さな女の子のお母さんとお父さんがもうすぐやって来る。それでもあたしは止まることが出来ない。あの女の子には悪いけど・・・撃たせてもらう。
そう思いながら玉座の間を出て迎撃へと向かうのはナンバーズのディエチ。扉横の壁に背を預けている客人の1人、許されざる怠惰たるベルフェゴールを乗っ取っているルシファーに見られていることに気付く。

(なんだろう・・・、何か嫌な視線だ・・・)

ディエチは言い知れぬ不安を胸に秘め、ルシファーをチラッとだけ一瞥をくれて扉を潜った。ディエチは、なのはとルシリオンを迎撃するために通路を歩く。ある程度進んだところで、さっきまで居た玉座の間から轟音、そして激しい振動。それを耳にしたディエチは「なに・・・!?」急いで来た道を戻り、そして玉座の間の扉を潜る。ルシファーの前、その壁にとてつもない大きな穴が開いており、そしてクアットロの姿が見えない。

「クアットロ・・・? ベルフェゴール・・・これは・・・?・・え?」

ディエチは自分の声が掠れてしまうほどに震えていることに気付く。それは本能が警告しているのだと解るまで数秒かかった。

「・・・罪眼(レーガートゥス)・・・」

ルシファーの囁きが、ハッキリとディエチの耳に届く。そして“罪眼レーガートゥス”がディエチを包囲するかのように現れる。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」

現れた8つの“レーガートゥス”、その全ての目に見られ、ディエチは圧倒的な恐怖を感じた。声にならない叫びを上げたディエチの体へと“レーガートゥス”が殺到していく。そこでディエチの意識は途切れた。

†††Sideなのは†††

「ルシル君、本当に無茶してない・・・?」

「もちろん」

ヴィータちゃんと別れて玉座の間に向かう私とルシル君。こうして玉座の間に向かう間にも、ものすごい数のガジェットが襲い掛かってきた。それをルシル君が1機残らず潰していっている。というか向こうが勝手に自滅していってる。重力。どんな世界にでもあって、その世界に住む生命に必ず影響する力。ルシル君はそれを操作して・・・すごいなぁ。と、ガジェットの迎撃が僅かに止む。

「・・・ヴィヴィオ。もう少しで行くからね」

思うのはヴィヴィオのこと。300年前の聖王時代――古代ベルカ時代の人の遺伝子を基にして生み出された子。シスターシャッハにそう聞いた。それと、ヴィヴィオを私の本当に娘にしないのか、と訊かれた。けど私はいつも自分の事ばっかりで、優しい母親になれる自信もないと思っていたから、答えることが出来なかった。それに私は空の人間だ。だからあの子を幸せにしてあげられる自信もなかった。けど今ではそんなのはどうでもいい。ヴィヴィオが大切な存在なのに変わりないのだから。

「・・・なのは」

「え、
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