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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
聖地より蘇る翼
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――ミッドチルダ南部・アルトセイム地方・森林地帯/9月16日/AM02:10

「態々こんなところに呼び出してどういつもりかしら?」

かつて“時の庭園”のあった地にて、1人佇むのは許されざる色欲たるアスモデウスだ。彼女は、許されざる怠惰たるベルフェゴールにこの場へ呼び出されていた。しかし約束の時間になろうともベルフェゴールは現れないため、少々苛立ちを見せている。

「お待たせ」

「・・・遅いわよ、ベルフェゴール。呼び出しておいての遅刻だなんていい度胸じゃないの」

アスモデウスの振り向いた先にベルフェゴールは居た。そしていつも手にしている本を片手にゆっくりと歩いて来る。

「そう怒る必要もないじゃない」

「怒ってなんかいないわ。ただ、このような場所に呼び出す必要があるのかどうかには少しばかりの苛立ちがあるのだけどね」

そう言ってベルフェゴールから自分の背後にある平野へと視線を移す。

「・・・そう」

ベルフェゴールの表情に変化が現れた。それは笑み。右手に手にしている書物をゆっくりと上げ、ページを開いていく。

「・・・それで? こんな辺鄙な場所に呼び出したんだから結構な話なんでしょ、ベルフェゴール。早く話し――ぐっ!?」

アスモデウスが突如として襲い掛かってきた無数のページによって吹き飛ばされた。しかし吹き飛ばされている最中にアスモデウスは出現させた大鎌を手にしてページを裂いていく。

「どういうつもり、ベルフェゴール!?」

左側の髪を団子状に結っていた鎖が切れ、その長い真紅の髪の半分が風に靡く。それでもページの勢いは止まることなく、次々と襲い掛かってくる。アスモデウスはそれを裂き続けながら、いきなりの攻撃を仕掛けてきたベルフェゴールに突進していく。

「さすがアスモデウス。今ので決めるつもりだったけど簡単にはいかないか」

そこまで迫った大鎌をバックステップで回避するベルフェゴール。お互いの攻防が一度止み、この場に静けさが戻る。

「答えなさい。今のはどういうつもりで攻撃をしてきたのかを。返答によっては斃すしかないから、素直に、かつよく考えて答えなさい」

「答え・・・ね。それが必要なことだから。私は“力”がほしい。だから手っ取り早く身内の“力”を手にしていくのが効率のいい方法だと思ったの」

それを聞いたアスモデウスの表情が怒りのものから呆れに変わる。しかしベルフェゴールの表情は真剣。嘘や冗談ではないことはアスモデウスにも理解できた。

「何を馬鹿なことを言うのかしら。それなら大罪(もと)に戻ればいいだけのこと。それをわざわざこんな面倒なことをしなくても――」

「それは違う」

「・・・なに?」

言葉を遮られたアスモデウスの目に鋭い光が宿る。ベ
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