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とある星の力を使いし者
第138話
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面に置かれた学生鞄やバイオリンのケースを眺めて言う。

「ええとですね、白井さんに風紀委員(ジャッジメント)の仕事を押し付け・・・いや一生懸命頑張っているので、ちょっと遅れそうなんです。
 本人は来る気まんまんなんですけど、ちょっと時間的に無理っぽいので代わりに私達がやってきましたー。」

「まぁ、私は暇だったのでついてきただけなんですけどね。」

あはは、と笑いながら佐天も答える。
それを聞いた美琴は頷きかけたが、そこで固まった。
白井は(誤解のない方向で)近しい人間だから遠慮なく頼み事をできる。
だが、初春や佐天など友達だが荷物運びを頼めるのかと言われれば、無理だ。
別にそこまで親しい訳ではないから、という訳ではなくこんなパシリみたいに頼むのは何だか気分が悪い。
まして、二人は常盤台中学の人間ではない。
寮の中には入れないのだから、必然的に荷物は『寮の誰かに受け渡し、部屋に運んでもらう』事になるだろう。
それが寮監だったりしたら最悪だ。
オトナの女性である寮監サマはおそらく初春にはニコニコの笑顔で向けて快く引き受けてるだろうが、美琴が寮に帰ってきた時に待っているのは憤怒の魔王である。
なので、美琴が気軽にパタパタと手を振って。

「黒子が来れないんだったら良いわよ。
 そこらのホテルのクロークにでも預けておくから。
 部屋さえ取っちゃえばそういう風に利用する事もできるし。」

「さすがは常盤台。
 コインロッカーに預けない所が流石です。」

「でも、見るからに高そうなバイオリンですもんね。
 コインロッカーなんかじゃあ不安ですわな。」

二人は物珍しい視線で置いてあるバイオリンのケースに視線を注ぐ。
そのまま、佐天は言葉を続ける。

「でも、常盤台ってバイオリンを使う授業もするんですね。
 さすがはお嬢様学校。」

「別に常盤台だけじゃないでしょ。
 他の学校でもこれくらいする所はするでしょ。」

「でも、憧れですね。
 白井さんはキナ臭いやら、何やら言ってましたけどお嬢様学校ですから、入ってみたいです。」

「まぁ、私達みたいな庶民じゃあ厳しいけどね。」

佐天の言葉に初春も苦笑いを浮かべながら同意する。
しかし、そんな二人に美琴はこういった。

「別に二人も入ろうと思えば入れるわよ。」

「「えっ!?」」

「まぁ、それなりのレベルが必要だけど庶民とかお嬢様とか、上っ面は気にしないのよ。
 どっかの王族の娘とかあっさり不合格にしたって話もあるし。」

「意外といえば意外ですね。
 そんな王家を落す超難関エリアじゃ無理ですよ。
 バイオリンとか触れた事もないんですから。」

「それなら二人とも弾いてみる?」

「「えええっ!?」」


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