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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
第6章:女の決意・男の勘違い
第15話:人の心と思惑には光と闇が存在する
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「くっ……」
旦那(リュカ)さんの気迫になのか、言葉の重みになのか……
勇者様は言葉を続けられず悔しそうに剣を納めました。

魔族(デスピサロ)の事を理解する気がなく、家族を奪われた怒りを抑えられないのであれば、同じ苦しみを与えれば良い……ほれ、丁度ここに(デスピサロ)の女が居る。最も信頼する部下のピサロナイトも居るのだし、二人を殺してお前が味わった苦しみを与えてやれば良かろう!」

突然私に視線が集まった。
先程まで彼等が危害を加えないと思い込んでいた為、何も身構えていなかったのだけど、ビアンカさんの旦那さんが私を指さし、勇者様に向かって殺す様に提案する。
大きく後退る私、慌てて身構えるピサロナイトさん……

「ふざけるな! 無抵抗の……それもか弱い女性を殺して、俺が満足すると思ってるのか!? 何の意味も成さないし、想像しただけで不快だ馬鹿!」
どうやら私は助かったみたいだ。
勇者様は無抵抗の者に危害を加えるお人ではなかった。

「だからお前の家族も、デスピサロに刃向かわなければ殺されなかったんだよ! “魔族は人間を理由(わけ)もなく殺すもの”と思ってたから、抵抗し殺された……互いの主義主張が異なるから」
確かにデスピサロ様は人間を滅ぼそうとしている……でもそれは、人間が私利私欲の為に私達エルフや魔族を迫害するから……

「お前……自分の周りをよく見て見ろ。元ホイミスライムが居たり、元妖狐が居たり……お前の彼女はエルフだろ? お前と一緒に行動してきたリューノは、エルフと人間のハーフだぞ。リューラもホビットとのハーフだし……この狭い部屋では、人間(ビアンカ)エルフ(ロザリー)魔族(デスピサロ)ホビット(ピサロナイト)が生活してたんだ。互いを理解し合えば、憎しみが生まれても許し合える……生きて行けるんだ!」

そうよ……私達はこの部屋で生活してきたのよ!
ピサロ様は未だにビアンカさんを警戒してたけど、共に生活し楽しく生きてこれたのよ!
彼の言ってる事はまさに真理。

「今マリーはお前の持つ憎しみを軽減させる提案をした。全てではないが憎しみの心が減る事に間違いはないだろう……それなのにお前は憎しみを優先させて、デスピサロや魔族を滅ぼそうとするのか? お前がデスピサロを殺したら、彼女はどうなる? ロザリーはお前に何もしてないのに、お前から愛しい人を奪われるんだぞ!」

「そ、それは……その時は彼女が俺を殺せば良い。俺は黙って殺されますよ!」
「本物の馬鹿かお前は!? お前の親や村人……そして身代わりになった恋人は、エルフの少女一人を孤独にする為に死んでいったのか? お前が今生きてると言う事は、お前の為に死んでいった命が無数に存在するという事なんだ。思い残す事が無くなれば死
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