暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第11話 『ひとくちサイズ』
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 機動六課としての初出動(ファースト・アラート)がその日の午後――昼食の後――は訓練はなく、新人たちはそれぞれ本日の報告書に追われていた。
 報告書と言っても、自分の出動に付いての反省点や改善点を書く事はそれぞれ自分たちが未熟ということもあり、易かったが、それ以外の、調査報告や文章構成については得意不得意の差がそれぞれ如実に出ていた。


「あぅ〜〜」
「気が抜けるような声出さないでよ、集中できないでしょ」
「だってぇ」


 誤字を見つけたらしく、スバルは溜息をはいていたようだ。


「――はい、終わり」
「え!? ティア、もう終わったの?」
「アンタみたいにミスしてもおかしな声なんて出さないし、余計に文字なんて消さない分ね」


 ティアナは書類を保存し、必要ない画面を閉じていく。


「じゃあ、私の――」
「じゃあ、私の書類のペアチェックよろしく。エリオとキャロの手伝いしてくるわ」


 スバルは手伝ってもらおうかと口を開いたが、相手に遮られ、なおかつ作業が増えた。


「と、友達を見捨てるの!?」


 ティアナが立ち上がったのを見計らって上目遣いで懇願すると、彼女は目を閉じて、スバルの肩に手をやり、


「見捨てるわ!」


 カッと目と開いて、そのあとは振り向きもせず手をひらひらさせながら「終わったらアンタのもチェックしてあげるわよ」と言葉を残して、エリオとキャロのデスクへ向かっていった。


「……むぅッ!」


 スバルは一瞬ぽかんと彼女を見送ってから片頬を膨らませ、


「ティアのいじわる」


 明日の朝、ひとまず彼女の胸元で報復するとしよう。と、手をにぎにぎさせていた。
 しかし、彼女も初めて報告書を書いたわけではなく、エリオとキャロよりは早く仕上げることができ、そのあと彼女も2人を手伝い、見積もっていたより少し早く完了することができた。
 上司(なのは)に提出して了承をした後、


『ありがとうございました』
「いいよ〜。お互い様だから」
「まぁ、そういうこと。効率もあるしね」


 2人の感謝の言葉に、スバルとティアナはやんわりと『どういたしまして』と返事をする。


「さて、と」
「ティア? 何処行くの?」
「自主練。新しいデバイスに馴染んでおきたいし」
「あ、私もやるやる〜」
「僕も……」
「私も……」


 エリオとキャロも、がたりとデスクから立ち上がるが、


「エリオとキャロはダメ」


 スバルに断られてしまう。


「アンタたち2人は疲れてるでしょ。体力は訓練で鍛えられているけど、精神的にはかなり消耗してるはずよ。スバルの言ったとおり休ん
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