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『曹徳の奮闘記』改訂版
第九話
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「……ちょっと失礼するよ。貴女達の名前はもしかしてクロエ・ヴァレンスとロッタかな?」

 俺は二人に近づき、出来るだけ優しく聞い た。

「「ッ!?」」

 あ、二人が驚いたという事は………。

「本物かよ………」

 俺は深い溜め息を吐いた。

 ……神様よ、なんつう事してくれるんだ よ……。

「……貴様は、私達を知っているのか?」

 クロエが驚きながらも俺に聞いてきた。

「まぁ……一応はな」

「ちょっとッ!! 此処は一体何処なのよッ!! 気がつけば私達……裸でこうなっていたのよッ!!」

「そうだ、ヴェラトローパで変な機械が作動して気がついたら此処にいたんだッ!!」

「ちょ、一気に喋るなッ!! てかその前に何か着ろッ!!」

「「え……あ……」」

 二人は自分の服装を見て顔を赤くした。

 二人の服装はところどころ破れていたりしてるんやな。

「とりあえず此処で話すより城に戻って聞くから」

 二人に服を着させて、零達と城に戻った。




「さて、話してもらおうか」

 俺は二人を部屋に入れた。

「あぁ。私とカノンノはルミナシアという世界で空を駆ける船、バンエルティア号を拠点に活動するギルド『アドリビトム』のメンバーだ」

 ……成る程、マイソロ3か。

「それでいつものように、ヴェラトローパでクエストをしていたんだ」

「私とクロエ、カノンノ、しいなでロックスもいたのよ」

「私がメデューサローパーを吹き飛ばしたら一部が破壊してしまったんだ。そしたら急に他の機械が動き出して視界が真っ白になって……」

「………そして気がついたら此処にいたわ け……か……」

 ヴェラトローパにそんなのあったか?

「まぁ……うん。アドリビトムにカノンノ・イアハートはおるか?」

「いるわよ」

「それやったら大分説明は省けるな。まぁこの世界はルミナシアとは違う世界だな」

「というとイアハートの世界か?」

「いやいや、イアハートの世界でもない。むしろ、この世界には世界樹も無いからな」

「えッ!? 世界樹が無い……」

 ロッタが驚く。

「少し聞きたいんだが、貴様の名前は?」

「あぁ忘れてたな。俺は王双や。すずやしいなと似たような名前と思えばいいよ」

「成る程。それでは王双。何故、私達を知っていた? 私は王双をルミナシアで見た記憶は無い」

「あ、私もよ。何でなのよ?」

 ………言うか。

「……信じられないかもしれんが………」

 そして俺は全てを話した。

 この世界と俺の前世も含めてな。





「………正直信じられない話だな……」
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