暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第2話 『彼女たちの疑問』
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らが消えてしまったことを話した。


「ミニチュアのデスクとイス、ですか?」


 そのようなものですね。寝ぼけ目は変わらず、右手を後頭部にやってぽりぽりと頭を掻いた。


「あのぅ……」


 2人が聞こえた方に目をやると、はやてとリインが申し訳なさそうに両手を前で結んでいる。


「リイン、はやて?」
「それ、私たちですぅ」
「か、かんにんやぁ」


 今度はこちらが今日までリイン用のデスクとイスが見つからなかったこと。オフィスへ向かう最中に見つけて、リインにせっつかれたこと。

「それだとリインが悪いみたいですぅ!」

 『リサイクル品 御自由にどうぞ』と書かれたために持っていってしまったことを話した。


「そういうことですか」
「ごめんなさい」
「ご、ごめんなさいです」


 ぺこりと頭を下げる。


「……あの」
「ふ、ふぁい」


 顔を上げるとリインは泣かずにはいるが何を言われるんだろうかとおどおどしている。


「え、えと。どうでしたか?」
「ふぁい?」
「いえ、あの。机の安定感ですとか、座り心地ですとか」
「そ、それは、とてもよかったです。デスクはツルツルぴかぴかで、イスの座り心地も良いです」


 声を若干震わせながら応えると、彼はぷふぅとすこし息を吐くて胸を撫で下ろした。


「よかったぁ」
「です?」


 はやて、フェイトも小首を傾げる。


「では」


 そう言うと彼は回れ右して歩いていく。


「あ、あの!」
「はい?」


 何か用事だろうかと振り向く。


「そ、それだけですか?」
「それ、だけ、ですが? も、もしかして、どこかに不備でも!?」


 眉根を寄せた後にはっと顔を(しか)めて、ずいとリインに顔を近づける。


「安定はしていますが、傾いているですとか?」
「い、いえ」
「引き出しが重いですとか?」
「いえ、全然です」
「では、イスですか。キャスターがスムーズではないとか?」
「大丈夫です」
「空気圧がおかしくて、高さの可変が利かないですとか?」
「大丈夫ですぅ」
「ではでは、背もたれの可変ですか?」
「いえ、問題ないですぅ」


 う、うぅむと彼は考えられる不備を搾り出そうとする。


「あの、そうではなくてですね? お、怒らないですか?」
「はい?」
「勝手に持って帰ってしまって」
「ん。あ、あー、そういうことですか。別に怒りませんよ。あれは本当に暇つぶしで作ったもので、今日からしばらく暮らすことになる宿舎でインテリアにでもと思ったくらいです」


 まだ、部屋には何も無いもので。と頭を掻く。



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