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ドリトル先生と日本のお料理
第二幕 八条大学その八

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「そこもイギリスと違うよ」
「僕もそうなるかな」
 先生は自分がスポーツは不得意なことから述べました。
「どうも身体を動かすことは子供の頃からね」
「そうだろうね、そこは先生と似てるかもね」
「やっぱりそうなんだね」
「だとしたらこの学園でも幸せにやっていけるかな、いやこの学園は懐が広いから」
 ただ敷地面積が広いだけではないというのです。
「誰でもやっていけるよ」
「僕でもだね」
「そう、大抵の人が幸せにやっていけるだけの広さがあるから」
 多くの人達がだというのです。
「安心してね」
「そうさせてもらうね」
「じゃあ次はね」
 ここで二人共お昼を食べ終わりました、王子はそのタイミングで先生に対してあらためて言いました。
「農学部、そして医学部の方も巡って」
「僕の勤め先だね」
「流石に医学部の施設には入ることは出来ないけれど」
「まだ勤務はしていないからね」
「けれど教室とかは観られるよ」
「それじゃそうした場所を観て」
「うん、三時はね」
 その時間になりますと。
「お茶を飲もうね」
「うん、その時はね」
 先生にとっては欠かせないことです、お茶のことは。
「楽しみにしているよ」
「是非そうしてね」
 そうしたことをお話してでした、そうして三人は食堂を後にしました。
 そして医学部や農学部も回って森も観てです、三時のお茶も楽しんで。
 三人で学園の中を観て回った頃にはです、もう夕方になっていました。
 赤くなったお日様に照らされつつです、先生は長くなった自分達の影を見ながら王子に帽子を脱いで一礼してから言いました。
「今日は有り難う」
「どうかな、この学園は」
「うん、ただ広いだけじゃなくて」
「凄く色々な設備があってね」
「いい学園だね、ただ今日回ったのは」
「ざっと回っただけだからね」
 だからだというのです、王子も。
「まだまだ広いよ」
「そうだね」
「この学園は本当に広いから」
 王子は先生にお話するのでした。
「一つの場所、動物園も美術館も」
「じっくり回った方がいいんだね」
「その時はまたね」
「王子と一緒にだね」
「うん、回ろう」
 是非そうしようというのです。
「そうしようね」
「いや、今日は本当に楽しかったよ」
 先生は満面の笑顔で言いました。
「こんなに色々回ったのははじめてだよ」
「今日ははじまりに過ぎないから」
「これからもっとだね」
「楽しくなるよ」
 王子はこう先生に返します。
「期待していてね」
「そうさせてもらおうかな」
「じゃあ後はね」
「後は?」
「学校だけじゃなくてね」
「というと?」
「街も回るといいよ」
 学園の外もだというのです。
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