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剣の丘に花は咲く 
第十章 イーヴァルディの勇者
第六話 曝される正体
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「ねえ、ロングビルそれとってくれる?」
「これ?」
「そうそれ、ん、ありがと」
「っぐ、ん、ぅ、ちょ、お、おちゃ、の、ど、つまっ、つっ―――」
「ちょっと落ち着きなさいよ。ほら、まだ熱いから気をつけなさいよ」
「っ、ん、ん、んぅ……っはぁっ……死ぬかと思ったわ」
「全く忙しないものだね君は……しかし、この状態でよく落ち着いて食事が取れるね君たちは……」
「もぐもぐ、ん? ギーシュは食べないのかい? ならぼくにくれよ。女の子が手ずから作った食事が食べられるなんて、ぼくはもう、それでもうぅっ」
「……食欲なるから止めてくれない」
「出来ないならもう少し離れて食べてくれる」
「ぼくに死ねとッ!?」
「シロウもお茶飲む?」
「…………」
「ん、結構厚着してるけどやっぱり寒いわね。ん、と」
「ちょっとキュルケ、近づきすぎじゃない?」
「なら左側はあなたに譲るわ」
「あら、なら遠慮なく」
「ちょっとあんたたち。何勝手に決めて―――」
「ルイズは膝の上にしたら?」
「―――ん、ちょっと失礼」
「…………おい」
「きゅいきゅい」
「あら何? あなたも食べたいの? そうね。もうそろそろだし……ほら、口開けなさい」
「きゅいきゅいっ!」
「美味しい? そう良かったわね。怪我してるところ無理させてごめんなさいね。でも、もう少しだから頑張って」
「きゅいきゅいっ!!」

 左右と正面に柔らかさと暖かさを感じながら、士郎は何時もよりも近く感じる満点の星空を見上げながら溜め息を吐く。
 
「…………はぁ……なんでさ……」

 周囲を見渡す士郎。
 上を向けば手を伸ばせば届くほどに感じる星空。下を向けば闇の中、星明かりで微かに浮かび上がる山脈の姿。そして周りを見渡せば、(シルフィード)の背の上で遅めの晩御飯を和気あいあいと食べている面々の姿。
 高い高度の中、それなりの速度で飛んでいるため体感温度はかなり寒く感じる。各々それなりの厚着をしているが、まだ寒いのだろう。それぞれ身を寄せ合って暖をとっている。シルフィードの尻尾付近では、ギーシュとマリコルヌが背中合わせで空を見上げながら晩御飯のサンドイッチを口にしており。キュルケとロングビルはそれぞれシルフィードの首付近に座る士郎の右手と左手に抱きつきながらサンドイッチをぱくついている。ルイズにいたっては、胡座をかいている士郎の上に体操座りで腰を下ろし、まるで安楽椅子に座っているかのように士郎の胸にゆったりと寄りかかりながら食後のお茶を楽しんでいた。
 士郎は喉元までせり上がってきた溜め息を吐こうと口を開けると、

「ほらシロウ、あ〜ん」
「ん、ちょっと待ちな。ふ〜、ふ〜……ん、よし丁度良くなった。ほら、こぼすんじゃないよ」

 左右から差し出されたサンドイッチと
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