第八十三話 踊らされる者
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アメノミハシラからアークエンジェルが出撃した後、メサイアから砲撃が放たれたという情報が入ってからロンド・ミナ・サハクは集めれるだけの戦力を集結させて出撃していた。
「しかし、ジャンク屋に与する者であるそなたが戦争に参加しても良いのか?」
「別に戦場での仕事は戦闘だけってわけじゃないぜ。機体の修理、お宝の回収、ジャンク屋の仕事は向こうでもいくらでもあるさ」
行動を共にするのはアメノミハシラに所属している者だけでない。最強の傭兵と名高いサーペントテールや宇宙一のジャンク屋を豪語するロウ・ギュール等もミナの艦隊に同行して行動していた。レッドフレームは大幅な改造を施しレッドフレーム改に、ブルーフレームも見た限りではマイナーチューン程度の様に見えるものであるがジャンク屋とアメノミハシラの技術者、そして劾自身によって改良されブルーフレームセカンドリバイとなっている。
「なるほど……言い訳はいくらでも利くという事か」
「おい、言い訳とかそりゃ聞き捨てならねえぜ!?」
ロウはあくまでもジャンク屋として戦闘に参加する気はないと反論する。ギルドの協定として基本的にジャンク屋は中立の組織である代わりに自衛以外での戦闘行為を認められていないのだから当然の反論である。
「それにしては、自衛だとは思えない位武装が充実しているようにも見えるが?」
「そ、そりゃあ戦場の真っ只中でお宝を回収するとなりゃ自衛手段だって増やさねえとならねえだろ……」
劾が自衛というには強力そうな武器を搭載しているレッドフレーム改の様子を見て追及する。ロウもすかさず自身の意見を主張するがそれが所謂、自衛というよりは挑発行為に近いという事を自覚しているのだろう。反論は尻すぼみになっていく。
「ロウ、言い負かされてるよ――――だから言ったんじゃん。危険だからやめようって」
「ずりぃぞ、キサト!お前だって改造するときはノリノリで賛同してたくせに!?」
そうやって互いに文句を言い合ったりするが別に誰も咎めようとしているわけではない。自分の意思で決めたことだというのであれば、ここにいる面子は口出ししてまで止めようなどという間柄ではないのだ。何よりそうやって止めようとする立場が違う。
小さいながらも国家に近い体系を構築しているミナ、傭兵として戦う事自体が仕事の一種である劾、その二つの立場が一組のジャンク屋に指図できる権利はない。いや、正確にいえばジャンク屋を擁護している立場のミナであれば何かしらの要請をする事が出来るのだろうが、天空の宣言を発言した立場からか無理に止める気はないようである。
「しかし、俺も俺だがあんたが参戦するなんて驚きだぜ?」
「我としても本意ではないがな。あのデュランダル議長の唱えるデスティニープランは天空の宣言からして
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