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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
再び出会う雪の少女
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ッ、そんな近寄れるか! ここで十分だろ!」

 聞き覚えのある声。

 というかこれはあの二人だろう。
 出入口部分の上で寝ている俺の真下に陣取ったようだ。

 昨日は邪魔だから帰してしまったが、あれから大事はなかったらしい。
 しかしあれだけ盛大な鬼ごっこをした二人が、今日は一緒に居るというのはどういうことか。

「さて。昨日も少し話したけど、学園には今結界が張られているの。衛宮くんには解る?」
「んー……なんか甘い蜜みたいな感じがするのは解るんだけど……」
「あ、衛宮くんにはそう感じられるんだ? ふぅん…………貴方魔術はからっきしだけど、何らかの感知とか世界の異状には敏感なのかも知れないわね」

 会話は学園に張られた結界の対処についてか。

 ということは、二人は休戦したのか協力体制になったのか。
 士郎と組むメリットの少なさから考えて休戦だろうが、それならさっさと潰しちまえばいいだろうに。

 まあそれは俺にも言えることだが、別に聖杯欲しさに死に物狂いな訳ではないので、マスター殺しに必死になるつもりはない。
 出来るなら真っ向勝負で競り合うのが一番だが、勝機ゼロでマスターを殺さなきゃ自分が殺される相手なら仕方無しにマスターを殺すぐらいだ。

 いや……それなら凛も似たようなものなのか。

 士郎も特殊な状況でマスターになったわけだし、アイツが聖杯戦争に意欲的でないなら話は変わってくる。
 わざわざセイバーと敵対するよりは、いつ戦いになるかというリスクを抑える意味で休戦という手段は有効だ。
 最終的に残り二人になったときに相手に間違いなく勝つ自信があるのなら、しばらくは休戦か協力した方が勝ち残る、生き残る目的では確実ではある。

 そもそも士郎を生き残らせるために教会に連れて行って、しなくてもいい助言までしたというのに、昨日のように寝惚けた行動を取られてあっさり死なれては“遠坂凛”としては困るといったところだろう。

 お人好しというか面倒見が良すぎるというか、本当に魔術師として余分なものを持ってるヤツだ。
 彼女のそういうところを好いている自分も同じように余分を持っているので、俺がそう思うのも身勝手な話なのだが。 

「放課後は結界の基点を探すわ。今までも黎慈と潰して回ってたんだけど…………まだ残ってる上に仕掛けた魔術師は逐一修復してるみたいで、いたちごっこになっちゃってるのよね」
「人手は多い方がいいってことか。でも、結界の基点を閉じたりなんて出来ないぞ、俺」
「いいのよ、見つけられたら私か黎慈が閉じるから。魔力が漏れてる箇所……士郎風に言うと、甘い蜜の匂いが強いところを探せばいい。それくらいなら、未熟なあなたでも出来るはずだもの」

 俺の知らないところで放課後の予定が決め
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