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皇太子殿下はご機嫌ななめ
第45話 「権威と権力」
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 最後には張り上げられた言葉が、兵士達に乗り移ったように感じられる。
 怖い男だ。
 平和を希求するのは帝国。戦争に邁進するのは同盟。という構図を作り出した。
 事実、皇太子の言うとおり、条件が気に入らなければ、フェザーンを通じて交渉をまずすべきだった。
 手間を惜しんだのか、それとも同盟の中での権力争いが原因だったのか、そこまでは分からない。
 ただ同盟は下手を打った。
 茶番でも交渉の真似事ぐらいはするべきだったのだ。皇太子のように……。
 茶番と分かっていながらも、皇太子はフェザーンを通じて、同盟側に打診をしている。
 返事はまだ返ってこない。同盟は一つにまとまっていないのだろう。
 纏める奴がいないのか?

「キルヒアイス」
「はい。ラインハルト様」
「俺は連中のような愚か者にはなりたくない」
「その為には宰相閣下のように、よく見て、よく考えて、よく学ばなければなりませんね」
「そうだな。その通りだ」

 軍の戦力をぶつけ合うだけが戦争ではない。
 その点では、俺も同盟と同じような考え違いをしていたようだ。自戒しなければならないな。
 俺は画面を見ながら、そんな事を考えていた……。
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