暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
妖精女王、散る
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「・・・」

瓦礫の中へと消えていくシモンから目を逸らし、生きて帰る為にナツとティアを抱えて走るエルザ。

「くっ」

膨大な魔力の柱。
割れる水晶の床。
大きな瓦礫を床代わりに着地しながら、エルザは走る。
その瞬間、塔の真ん中あたりが丸く変形した。

「うあっ!」

突然変形した床に足をとられたエルザは、その場に転ぶ。
その近くの床が、ぐにゃんと山をつくった。

(器・・・魔水晶(ラクリマ)をも変形させるほどの魔力か・・・想像以上の破壊力を秘めてるようだな・・・)

身を起こしながらエルザは周りの状況を頭に入れる。

(これでは外に出ても、暴発に巻き込まれてしまう)

中にいるのでは生きて帰る事は確実に不可能。
外に出ても必ず危険がついて来る。

「くそっ!ここまでか!」

諦めそうになったエルザは左の拳で力強く床を殴り付ける。
しかし、その目に気を失って倒れるナツとティアが映った。

(いや・・・諦めるものか・・・)

すくっと立ち上がり、見下ろす形で2人を見つめる。

(今度は私がお前達を救う番だ。ナツ・・・ティア・・・)

この2人は、魔力や体力がほぼ空になり、立っている事すらギリギリの状態で戦ってくれた。
なのに、こんな所で自分が諦める訳にはいかない。

(しかし、防ぐ事も脱出も不可能・・・)

エルザが考えを巡らせる間にも、瓦礫は落下し、床からは凄まじい量の魔力の柱が上がる。

(どうする・・・)

必死に考えていた、その時。

「!」

ジェラールの一言を思い出した。
先ほどの、エルザが拘束の蛇(バインドスネーク)で動けなくなっていた時の言葉を。

―この27億イデアの魔力を蓄積した魔水晶(ラクリマ)にお前の体を融合する。そして、お前の体は分解され、ゼレフの体へと再構築されるのだ―

(融合!?)

そして、1つの考えが浮かぶ。
水晶に自分を映すように立ち、見つめる。

(私がエーテリオンと融合できれば、この魔力を私が操り暴発を止められるか!?)

確かに、そうすれば暴発を止める事は出来るかもしれない。
だが――――――。

(これにかけるしかない!)

『それ』を分かっていて、エルザはそっと正面の魔水晶(ラクリマ)に手を添えた。

「あぐっ!」

ズプッと右手首辺りまでが一気に吸い込まれる。
痛みに小さく悲鳴を上げた。

「うう・・・」

痛みに震えながらも、右腕は肘辺りまでが吸い込まれていった。

(よし!魔水晶(ラクリマ)はまだ私を受け付けている!)

―――――だから、エルザは気がつかなかった。
後ろにいるナツとティアの目が、うっすらと開いていた事に。

「エルザ・
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