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錆びた蒼い機械甲冑
Z:打開策と決着
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 キリトは自分の考察をアスナとエギルに話し、二人も、そう言えば……と今までの戦闘を思い返して、その事に気付き納得した。


「言われてみればそうね……最初の攻撃もシミター使いへの反撃だったし、キリト君が合わせ技を当てようとした時の隙も後ろの人が攻撃しようとしたからだし……」
「ああ。そして、奴のAI……か如何かは怪しくなってきたが、とにかく行動優先順位は、クリスタル破壊>脱出者追撃>反撃での戦闘、の順だと俺は思う」
「なるほど、それならキリトが倒れているのに止めを刺さなかった事にもうなずけるな」


 現に、騎士は動いてこそいないものの、視線だけはばっちり退却するプレイヤー達に向いている。


「それでキリト君、上手くいけば退却の時間を作れる作戦……て何なの?」
「さっきも言った通り、あの機械甲冑は此方から攻撃したり、何かを使うアクションを起こさなければ向こうも攻撃しない。それが分かっているならば、何が来るか事態は分からなくても対処は出来る」
「攻撃に合わせて反撃をする事が分かっているからな……」


 キリトは一つ間を置いて、作戦を話し始めた。


「そこで俺の作戦だ。まず俺がアイツに攻撃を仕掛けに行く、次にアスナがその戦闘の最中に出来た確実に弾ける一撃を見極めてパリングする。最後に、この中で一番攻撃が重いエギルが一撃を入れる……と、こんな感じだな」
「……大丈夫なの、キリト君? 大分疲労がたまっているみたいだけど……」
「途中でスイッチした方が良くないか?」
「……いや、スイッチは駄目だ。スイッチした瞬間に投げナイフで追撃して来たり、体当たりで二人同時に攻撃してきそうだ」
「有り得るな……確かに」
「それに、話してる時間はもう無さそうだ」


 キリトの言うとおり、機械騎士はもう既に歩き出している。あと半歩でも踏み出せば、ブースターによる加速で一気に脱出中のプレイヤー達へと襲いかかるだろう。猶予は残されていない。


「本当にヤバくなったら無理やりにでも変わるからね」
「大丈夫だ、ヤバくはならねぇよ……行くぞ!!」


 キリトが駆け出すと共に二人も走り出して左右に回り、彼から少しだけ離れた位置で構える。

 キリトは先程と同じく、通常攻撃の連撃と隙を見つけて体術スキル《閃打》の打ち込みの組み合わせで、騎士に肉薄する。

 隙が少ないスキルは片手剣ソードスキルにもあるのだが、いかんせん《閃打》よりは硬直が長い。《閃打》のポストモーションの硬直、これがギリギリ闘い続けていられる最低ラインなのだ。

 ソードスキルを使わずに剣で切り付けて時にステップで、時に右へ左へと身を転がしながら闘い続ける。ステップで懐まで飛びこんでいき、横に剣を薙いだ後に隙があれば《閃打》を打ち込んで、次に
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