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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百三十六話:先生と助手と新婚さん
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 視界の端でヘンリーがピクリと動いて一瞬殺気を感じたような気もしますが、すぐに消えたので気のせいということにしておいてやろう。
 先生も気付かなかったみたいだし。

 ともかく、ベネット先生が熱く応えてくれます。

「よし、我が助手よ!そなたを信じて、任せよう!そなたらの帰還に合わせて体調を整えるために、わしは寝て待つことにするが!必ず、無事に帰るのじゃぞ!」
「はい、先生!後は私たちに任せて、ゆっくりとお休みください!必ず、ルラムーン草を持って帰ります!ですから、どうか!見事役目を果たした暁には!……その、……私の、お願いを、……聞いて頂けませんか……?」

 この研究に協力するのだって私の利益になることなのに、引き換えみたいに協力を求めるとは。
 ちょっと図々しかったかな、と思って、強く握っていた先生の手をそっと握り直しつつ、ついつい上目遣いになる私。

 またヘンリーから一瞬殺気を感じたような気がして、そのせいなのか何なのか、ベネット先生が挙動不審になります。

「な!?なんじゃ!?…………いかん、いかんぞ、我が助手よ!!わしとそなたとでは、余りにも年齢が!!早まるで無い!!そなたなら、他にいくらでも、若くて良い男が」

 何を言ってるのかよくわからないが、私のお願いがベネット先生の利益にならないのは、きっとそうだろう。
 面倒事を押し付けられそうになって、動揺するのも致し方ない。

 そっと握った手を胸元に引き寄せ、正面から目を合わせます。

「……先生が、古代の魔法の研究を専門とされているのはわかっています。現在でも普通に使われている普通の魔法の、生まれついての適性以外のものを身に付けようとすることは、先生の探究心を満たし得るものでは無く、時間と労力の無駄以外の何物でも無いでしょう。でも私には、どうしても必要なことなんです。魔法の研究に熟練し、薬草の選別も調合も間違いなく行える先生のお力が、必要なんです。どうか、お力を貸してください。私には先生が、必要なんです!」

 なおも熱心に訴える私に、先生の顔がどんどん赤くなっていきます。

 そんなに嫌なんだろうか。
 しつこさに怒って、頭に血が上った感じだろうか。

「早まるな、我が助手よ!!確かにそなたは美しくも愛らしく、それでいて女らしいというか包容力を感じるというか、ともかく大変に魅力的じゃが!!じゃが、しかし……ん?何と申した?」

 急に何かに気が付いたように、ベネット先生が聞き返してきますが。

 聞き逃したならば、何度でも言いますとも!

「私には、先生が!!必要なんです!!」
「……その前じゃ」
「お力を貸してください!!」
「……さらに前」
「……魔法の研究に熟練し、薬草の選別も調合も間違いなく行える先生
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