暁 〜小説投稿サイト〜
銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百六十五話 美味しい罠
[1/4]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
帝国暦485年7月1日

■銀河帝国 帝都オーディン ノイエ・サンスーシ 小部屋

「それと、父上とは既に話し合いを終えているが、捕虜交換後の今年暮れのイゼルローンツヴァイの完工式には妾が参加する事に決めたのでな」

テレーゼの一言で再度揺れる小部屋。
「殿下、臣の聞き違いでなければ、最前戦たるイゼルローン要塞へお行かれに成られると仰いましたか?」
滅多な事では驚かない、リヒテンラーデ侯が、驚愕の眼差しでテレーゼを見て質問してくる。

驚愕の表情をするリヒテンラーデ侯達を見渡しながらテレーゼは再度話す。
「ええ、国務尚書も未だ未だ耳が遠くなる年じゃないでしょう。新年をイゼルローン要塞で迎える事になるわ」

「殿下、其れだけは成りませんぞ、殿下に万が一の事があったら今後どうすれば良いか、危険な行為はお止めくだされ」
リヒテンラーデ侯が必死になって諫めるが、フリードリヒ四世が其れを止める。
「国務尚書、テレーゼは意外に頑固でな。一度決めた事は頑として翻さんのじゃ」
「しかし」

リヒテンラーデ侯が慌てているが、テレーゼはどの風吹くが如きである。
「国務尚書、別に最前戦で指揮する訳ではないのですから、護衛をしっかり就ければ許容範囲と言えましょうぞ」
グリンメルスハウゼンが、眠そうな目を見開いて仕方が無いとばかりに話しかける。

「卿達が、殿下を甘やかすから突拍子も無い事を仰る様になったのじゃぞ」
リヒテンラーデ侯がグリンメルスハウゼンやケーフェンヒラーやケスラーをジロリと見ながら愚痴をこぼす。

「ハハハ、テレーゼの性格は生まれつきであろう。予の若き頃に似てきておるしの」
フリードリヒ四世が笑いながら話すと、皆が顔を見合わせながら諦めた表情をする。それを見て更にフリードリヒ四世が大笑いした。

「もう、お父様、本人のいる前で言う事ではないでしょうが」
フリードリヒ四世は、拗ねた振りをするテレーゼを見て更に笑う。
「よいよい、テレーゼは素直なよい子じゃ」

話が脱線した為に、テレーゼが再度仕切り直す。
「話がそれたけど、向こうへ行く際には、エッシェンバッハ元帥には基幹艦隊を率いて貰い、直接の護衛はオフレッサーに来て貰うとして、艦隊としてはロイエンタール少将、ルッツ少将、ワーレン少将、ファーレンハイト少将、アイゼナッハ少将、ミュラー准将を引き連れるわ」

「殿下、小官やミッターマイヤー、ビッテンフェルト、メックリンガーは参列できませんでしょうか?」
ケスラーが自分達の名前のない事を不思議がる。
「ケスラーは来て貰うけど、ケスラーの艦隊は臨時編成で既に解体済みだから率いてはいけないのよね。他の三人は正規艦隊司令官に就任直後だから訓練に入って貰うので、イゼルローンへは不参加なのよね」

“尤も訓
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ