第二章 非平凡な非日常
54、憑依と復讐者
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、祈るように拳を振るう。
誰かの台詞であった気がする。
でも、それが事実だ。
敵であれど傷つけるのを好まないのか、それとも女子(の体)を相手取ってるせいか、なるべく傷つけないように戦っているのが見てわかる。
「お人好しだな。……って、人のこと言えねぇか」
『要、聞こえますか?』
「ああ」
『ラストスパートをかけます。少し人間道を出すので映像を送ることができません』
「りょーかい」
そう答えた次の瞬間、また暗闇が訪れた。
手を握りしめると、持っていた書類が音をたてた。
これで、本当にうまく行くんだろうか。
さっきまであったはずの自信が暗闇に吸い込まれるようにして消えていく。
ダメだ。
ネガティブになったら、ダメだ。
「原作なんて知るか。オレは、オレが納得の行く世界に変えてやる。後悔なんて、したくない」
そして、見えない壁に手をつこうとした、その時だった。
さっきまであったはずの壁が消え、オレの体が一瞬浮いた。
支えの無くなったオレの体は前にのめり、そのまま倒れた。
どさっ
「っ痛……!」
同時に景色が戻り、全身に痛みが走った。
これってつまり、憑依が解けたってことか?
不意に視界の隅に骸が入った。
ちっ、生きてるか。←オイ
その後、骸に近づこうとした沢田をボロボロの犬と眼鏡(千種というらしい)がそれを止めた。
なぜそこまでマフィアを嫌うのかと言うチビ介の質問に、犬が全てを話した。
もとは、エストラーネオというファミリーに属していたこと、そこでは子供たちが実験台にされていたこと。
それをすべて壊したのが骸で、二人は地獄から救いだしてくれた彼について行くことを決意し、マフィアを根絶やしにしようとして今に至ると。
そして
「……ッッ。来た」
ついに復讐者が現れた。
三人の首に枷がつけられ、引きずられていく。
「待って!!」
動かない体にムチ打って、どうにか立ち上がる。
くっそ、骸のやつどんだけ体酷使しやがったんだよ。
声だすだけで激痛じゃねぇか。
「フィリミオさん!?」
「貴様、何者ダ?」
やべえっす。
殺気がガチやべえっすよこれ。
普段から恭の殺気の下にいなかったら、多分死んでたな、うん。
ふらふらとした足取りで彼らに近づく。
本音言っていい?
怖い。
「私の名はフィリミオ。骸の仲間」
「何ノ用ダ」
「骸、犬、千種の解放の要求に来た」
「何!?」
「骸達の解放!?」
「ソレハデキナイ。コノ三人ハ大罪人ダ」
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