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誰が為に球は飛ぶ
青い春
弐 野球という遊び
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うな、そんな気がした。

「よし、帰ろうか。また学校で鈴原と話してみようかなぁ」

薫はハッとする。今、真司が自分から話しかけよう、などと言った。いつも自分が話しかけなければ、教室でも1人で所在なさげに座っているだけの真司であるというのに。この球場に来てからというもの、何か、真司の様子がおかしい。いや、別に悪い変化ではないし、望ましい事なのだが。

「…?どうしたの?帰ろうよ」
「ああ、うん」

真司の中の、何かが動き始めようとしている。
そんな1年の秋だった。







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