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“死なない”では無く“死ねない”男
話数その12 聞きゃしない
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カルト研究部内に蔓延していた一緒即発の空気も少し収まった。
 それを見たグレイフィアは、一つだけ間をおいた後、話しだす。


「こうなることは皆様重々承知でした。よって最終手段として『レーティングゲーム』をなされてはどうでしょうか? ご存じの通り、本来『レーティングゲーム』は成熟した悪魔しか参加できませんが、今回は非公式のものですのでお嬢様でも参加できます。この場合の多くが―――」
「身内同士、お家同士のいがみ合い。つまりお父様方はゲームで婚約を決めるつもりのようね……何処まで私の生き方をいじれば気が済むのかしら……!!」
(……ざまぁみろ、無駄乳……)


 やはり、そしてなかなかにひどい晋の思考だが、その言葉を口に出さないだけマシかもしれない。 おそらく、彼なりに空気をよんでいるのだろう。


「俺は成熟した悪魔だし公式の経験もある、勝ち星だって多い。それでもやるっていうのか?」
「ええ! あなたを消し飛ばしてあげるわ!!」
「わかった……俺が勝ったら即刻結婚してもらうぞ、リアス」
「ご二人の意志は私グレイフィアが確認させてもらいました。……では、ご両家には私からご報告いたします。後戻りはできません、よろしいですね?」
「ええ」
「ああ」


 お互い頷いた後、ライザーは部室を見渡しグレモリーに問う。


「ところでリアス、ここにいるメンツが君の下僕かい?」
「……そこで本を読んでいる彼は違うけど、そのほかは私の下僕よ」
「ははは! これじゃ話にならないんじゃないか? このメンツでは『雷の巫女』ぐらいしか俺の下僕に対抗できそうにないな」


 そう言うと同時にライザーは指を鳴らし、魔法陣を出現させる。その魔法陣からライザーの時と同様に炎が噴出し、ライザーの眷属と思われる者たちが現れた。


「これが俺の可愛い下僕たちだ」
(……よりによって、女ばっか……)


 そう、メンバー十五人は幼女、少女、女性……晋のいうとおり全員“女”であり、俗に言うはハーレムと言う物を形成していた。その様子を見た兵藤は、文字通り血の涙を流している。


「お、おいリアス……君の下僕が大号泣してるんだが……」
「その子の夢がハーレムなの。だからそれを形にしたあなたに感動してるんだと思うわ」
(……くっだらねぇ……)
「う…きもーい」
「ライザーさま、この人気持ち悪いよぉ」


 尤もな事をライザーの眷属達はいい放つが、その様子を見てライザーは何かを思いついたらしく、にやりと笑った後眷属の一人に歩み寄り――――


「ふ……」
「ん…ぁっ……」


 徐にキスしだした。おまけに胸にまで手をやっている。 それが終わると、それは一人目だと言わんばかりに別の眷属へも同じ事をし出した。
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