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我が剣は愛する者の為に
黙って城の中にいると思いきや
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「その通り。」

「自分から捕まりに行ってどうする。」

「ところがどっこい。
 私が調べたところによると、兵と兵の交代の時に少しだけあの詰所は誰もいなくなるの。
 その隙に通るって訳。」

「よく、そんなのを分かったな。」

「日頃、いつも見ていたからね。」

話し合っていると、見張りの交代なのか複数の兵士達が詰所にやってくる。
それを見計らったのか、詰所の中から同じ数の兵士達が出てきた。
孫策はそれを確認すると、少し遠回りして詰所の裏に回り込む。
もちろん、俺達はそれについて行く。
兵士達は雑談が盛り上がっているのか、笑い合いながら話をしている。
その隙に孫策は詰所の扉を開けて、俺達は中に入る。
中には誰もおらず、城の外に通じる扉を開けて外へ出た。
外の見張りがいたが、ちょうど通りかかった馬車の影に隠れながら下町に移動する事ができた。

「やった!!
 大成功!!」

孫策は手際よく脱出する事ができて、ガッツポーズをしながら喜んでいる。
対する周瑜は額に手を当てて、ぶつぶつと呟いている。

「はぁぁ、孫堅様に何て言えばいい。
 私が止めないといけないのに。」

何だか、周瑜を見ていると少し可哀想になってきた。
俺は声をかけようとしたが、孫策が先に言う。

「ほら、冥琳も諦めなさい。
 楽しく釣りでもしましょう!」

「誰のせいだ、誰の。」

「ほら、関忠も。」

「お、おう。」

少し圧倒しつつも、孫策について行き街を出る。
街の近くには森があり、孫策はその森に躊躇わず入って行く。
周瑜は二度目になる重いため息を吐いて、森に入る。
俺は腰にある木刀をいつでも抜刀できるように準備しながら入る。
近くの森とはいえ、何があるか分からない。
周りに警戒しつつ、森の中を歩く三人。
これと言って何か起こった訳でもなく、歩いていると大きな川を見つけた。

「ちょうどいい所に川があったわね。
 それじゃあ、餌になるものを使って釣りをしよう!!」

俺達は餌になる何かを採ってきて、針に仕込む。
孫策、俺、周瑜の順に近くの岩に座り、一斉に川に針を投げる。
前の世界では釣りは嗜む程度しかやっていない。

(気長に待つとするか。)

「釣れないかな〜♪
 釣れないかな〜♪」

「はぁ〜〜〜。」











この世界には時計がない。
日の位置などを見て大体の時間を測るくらいしかできない。
日の傾きを見た限り、それほど時間は経っていない筈。
まぁ、10分くらいだろうか。
チラリ、と隣に視線を向けると不機嫌そうな顔をしている孫策がいた。

「何で釣れないの。」

声も不機嫌そうな声でそう言った。
ちなみに、糸は
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