暁 〜小説投稿サイト〜
炎髪灼眼の討ち手と錬鉄の魔術師
”狩人”フリアグネ編
五章 「紅世」
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足を組むよりはマシだが、それでも大差無いくらい失礼である。
 しかも、微妙……いや、かなり論点がズレてる気がするが、教師も生徒も気にしない。ちなみに、俺も気にしない。火に油を注ぎたくないからな。


 これで終わりだったなら、この教師もどんなに幸せだっただろう。しかし、さらに容赦の無い追い討ちが教師に襲いかかった。残念ながら問題点は一つだけではなかったのだ。
「その板書も、段落で見たら後二文も足りない。マニュアルのページ単位で書き写してるだけだから、そんな事になるのよ」
 その的確な指摘に、反論の余地は無かった。英語教師は思わず一歩下がる。
「お前は教師でしょう? ちゃんと事前に確認しておけば、全部防げたミスの筈。しかも、説明は下手な上に指導点は要領を得ていない。一体、何を教えたいのかしら」
 的確な指摘だけど、流石に言い過ぎな気がする。一体、どっちが教わってんだ?
「生徒に教えるつもりがあるなら、ちゃんと事前に準備をしてから授業をしなさい。授業っていうのはちゃんと計画的に行われるものよ。生半可な覚悟で教鞭をとるなんて、ふざけないでよね」

 英語教師の撃沈を確認。上手く立ち直ってくれれば良いのだが。
 もう一度言うが現在、四時間目終了間近。シャナの餌食になった教師は通算四人目。つまりここまで全ての教師を討ち漏らしなく撃墜している。後一人落せば、めでたくエースパイロットの仲間入りだ。
 今日の授業は残り二限だけど、考えるまでもなく確定する事実だろうな……。
 ほとんど自習と化してしまった教室の中、俺は一人そんな事を考えていた。





「―――静かだな」
 静寂に包まれた教室でボソッと口から感想が出る。ちなみに、教室の外からは賑やかな話し声が聞こえていた。しかし、この教室ではその様な声など一つも聞こえない。
 俺の学生時代の昼休みもあんな感じに騒々しかった気がする。毎回、弁当箱を開ける度に襲撃されていた為、生徒会室に逃げこんでいた程だ。

『教師殺しの平井ゆかりの殺戮ショー』が延々と四時間も続いたので、昼休みになった途端、クラスメートは安住の地を求めて、次々と旅立って行った。正直、俺も逃げ出したい。
 だが、悲しいかな。それが出来ないのが今の衛宮士郎なのだ。と言うより、俺からしたらクラスメートは全員初対面な為、なんとなく遠慮をしてしまっている所がある。
 その為にも、唯一初対面でなく、遠慮は―――しなければならない相手ではあるが、シャナを話し相手にしようとしていたのだが………。
 結局、教室に残ったのは、俺とシャナだけだった。手間が省けて結構な事だ。

 静かだね。気まずいね。お腹空いたね。

 今更ながら、昼食を持っていない事に気付いた。どうやら、いつも坂井悠二はコンビニで買っていたらしい。朝
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