暁 〜小説投稿サイト〜
炎髪灼眼の討ち手と錬鉄の魔術師
”狩人”フリアグネ編
断章 「現状確認」
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に動きが鈍ると困るしな」
思えば、死刑宣告の次は人形に喰われそうになっている。

そもそも、あの時から牢獄の中にいた為、満足に睡眠も取れずにいた。
頭では特に疲労を感じている訳ではない。
しかし、疲労という物は気付かない所で蓄積していく物だ。
何時、如何なる状況に置いても十全に動けるようにしておきたい。
この世界では、誰も自分の面倒を見てくれないのだ。

しかし、帰宅して夕飯も食べずに部屋に籠もりっぱなしなのは、健全な高校生のとる行動ではないだろう。
この身が消えるまでの間は坂井悠二の行動を演じなければならないのだから。
今日の所は疲れている、という事にしているが、明日からはちゃんと学生らしい生活をしないとな。
というよりも、進行形で腹が減った。
最後に飯を食べたのはいつだったろう。
とりあえず、今晩はこの腹の虫を宥めながら寝るしかない。
まぁ、三食抜きに睡眠無しの不眠不休には慣れてるから、別にどうって事もないんだが。
それに、あんな振る舞いをした手前、そう易々と階下に降りられない。
もう夜も更けてきたし、あの人も寝ているだろう。
感覚的には自分の家でも、一応はれっきとした他人の家だ。
他人の家の冷蔵庫を漁る様な真似はしたくない。

餓えた虎じゃあるまいし―――、な。

「まぁ、今日の所は寝るとするか」
もうこの部屋で出来る事は今の所は何もない。

横になって士郎は目を閉じる。
帰宅する段階での尾行はなかったし、ちゃんと帰路を特定されない様に帰った。
この場所が敵に露見している心配はない筈だ。

しかし、頭では疲れていないつもりでも、こうして目を閉じれば自然と睡魔が襲ってくる。

あぁ―――、今日はよく眠れそうだ。

ゆっくりと思考が闇に沈んでいく。
こうして衛宮士郎の二度目の人生、最初の日は終わりを告げた。
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