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銀河英雄伝説〜悪夢編
第五十二話 良い思い出が無かったな
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憶しています」
「はい、彼女の母親がリヒテンラーデ侯の姪でした」
エルフリーデ・フォン・コールラウシュ、嫌な名前だ。原作を読んでも俺にはあの女が何をしたかったのかさっぱり分からなかった。その嫌な女がアンネローゼを殺した……。

「理由は何です?」
「宰相閣下に対する怨恨です、一族を殺され没落させられた事への復讐だと……」
「……」
「本当は宰相閣下を殺害するのが目的でした。しかし警護が厳しく襲うのは無理だと判断し代わりに伯爵夫人を狙ったそうです。閣下に苦痛を与えたかったと言っています」
やはりな、そんなところだと思った。オスマイヤーもようやく落ち着いたようだ、顔色が戻っている。

「国外追放にしたのです、戻るのは難しい筈ですが?」
憲兵隊はフェザーンに人を出しているはずだ、その監視の目をすりぬけたか。ケスラーも面目丸潰れだな、後で慰めてやらないと……。頭でも撫でてやるか。
「偽名のパスポートを持っていました」
「偽名のパスポート? ではフェザーンに協力者が居ると?」
「おそらくはそう思われます」

ヒルダとヴァレリーが顔を見合わせていた。厄介な事になったと思っているのだろう。俺も同感だ、フェザーンの蛆虫共が動き始めた。ラインハルトの阿呆、何をやっている! お前が仕事をしないからアンネローゼが死んだだろうが! 肝心な時に役に立たん奴だ、このヘナチョコが!

「エルフリーデは何か言いましたか?」
俺の問いかけにオスマイヤーが首を横に振った。
「残念ですが、“殺せ”と言うだけで……」
「ここへ連れて来てください、私が彼女に会いましょう」
「ここへですか?」
オスマイヤーは多分反対なのだろう、眉を寄せている。“お願いします”と言うと“分かりました”と答えて部屋を出て行った。

馬鹿な女だ、フェザーンで大人しく暮していれば良いものを……。俺の処分が不服か? だがな、原作に比べれば遥かに寛大な処分の筈だ。流刑に比べれば国外追放の方がましだろう。それに無一文で国外に放り出したわけじゃないし処刑したのは二十歳以上の男子だけだ。甘かったのかな、手厳しくやるべきだったのか……。だがなあ、必要以上に人を殺すなんてのは気が進まない……。やはり甘かったんだな、俺は……。

殺らなければ殺られていた、殺られたくないから殺った。その事を後悔はしていない。エルフリーデ、お前に恨まれる様な事じゃない、恨むのなら俺では無く油断したリヒテンラーデ侯を恨むべきなのだ。だがお前には分からなかったようだ。仕方ない、お前にその事を後悔させてやる。ヒルダとヴァレリーが俺を気遣わしげに見ている。心配しているのだろうが鬱陶しい視線だ。気付かない振りをして決裁文書に視線を向けた。

アンネローゼ、離婚なんかするんじゃなかった。お前の意思なんて無視して傍に
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