暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第六三幕 「覆水は盆に返らずとも」
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日本何だよここはに・ほ・ん!お酒は二十歳になってからってのは小学生だって聞いたことがあるんだよ?」
「・・・・・・あの」
「そういやイタリアはお酒何歳からなの?」
「・・・16歳からですけど」
「という事はベルーナ君は母国ならあと1年で酒飲めるわけだ。それをあの阿呆兄貴は・・・信じられる?14歳の頃にはもう酒飲んでたんだよ!?飲んだくれかっつーの!!」
「他人のこと言えないでしょ、ヨッパライモドキ・・・」
(わっ・・・可愛い子・・・)

漸く眼のピントが合ってきた簪の目に飛び込んできたユウの話し相手は、線が細く清楚で可愛らしい銀髪の女の子だった(※勘違いです)。ジャージを着こみベッドに横になっている彼女の(※勘違いです)肌はとても白く、どことなく病弱な印象を持たせる。蝶の髪飾りが良く似合っているその子はユウを迷惑そうに見つめている。事実、ここで休んでいた彼女(※しつこいようですが勘違いです)にとって見境のない愚痴地獄は迷惑以外の何物でもないだろう。

・・・ベルーナは元々中性的な声と顔立ちをしているが、それでも服装のおかげか女性に間違われることは余り無い。が、髪飾を付けて保健室のベッドに横たわっていると印象が変わり、ぶっちゃけかなり女の子っぽく見えた。だから間違えた簪を攻めてはいけない。悪い人など誰もいない、不幸な間違いなのだから。

「・・・ん?あ、簪ちゃん!目が覚めたみたいだね。体におかしい所は無い?意識を失って保健室に運び込まれたんだけど・・・」
「・・・うん。大丈夫・・・」
「やっと解放された・・・疲れた、寝る」

ぱたりとベッドに倒れ、そのまま寝息を立て始めたベルーナ。いくらなんでも寝るのが早すぎではないだろうか。本当に眠ってしまった彼にそっと布団を掛け直そうとするユウだがギブスの所為で上手く動けない。そこまでして漸く彼が怪我をしていることに気付いた簪は慌てて駆け寄り、代わりに布団をかけ直し、ユウを支えてベッドに座らせた。

「その、怪我・・・」
「あ、これは無茶な操縦が祟ったみたいで・・・1週間もすれば治るらしいけど、しばらく体を鍛えられないなぁ」
「そういう問題じゃ、ない」
「ああ、先に言っておくけど」
「・・・わわっ!?」

先手を打つように簪にずいっと顔を近づけるユウ。吐息がかかりそうなほどの至近距離から瞳を覗きこまれた簪は気恥ずかしさから慌てて逃れようとするが、肩をがっちりつかまれている所為で逃げられない。仕方なしに前を見れば、そこには真剣そのものなユウの精悍な目がこちらを見つめていた。

「簪ちゃん。僕はこうするべきだと思って行動した。この肋骨のヒビはその勲章みたいなものだよ。確かに簪ちゃんを助けようとしたから無茶な行動をとったとも言えるけど、助けたいから無茶な選択を選んだのは他ならぬ
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