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とある星の力を使いし者
第122話
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体には俺の知らない魔術が使用されていた。
 身体を元に戻すにも、干渉する事もできなかった。
 できたのは、身体を調べる程度とそいつが死徒だという事が分かっただけだ。」
 
「だからって、だからって殺すなんてあんまりすぎるだろ!
 やっと病気も治って、ようやく元の生活に戻る筈だったのに!」

「だが、ここで見逃せば多くの人間が死ぬかもしれない。
 割り切れとは言わない。
 無理に理解する必要もないが、俺の邪魔するな。」

そう言って、上条の隣を素通りする。
麻生はユミナに近づくと、剣を振り上げる。

「知らない仲でもない。
 何か言い残す事はあるか?」

最後の情けなのか、ユミナに聞く。
すると、ユミナはいつもと変わらない笑みを浮かべて言う。

「あの子を、ナタリアをお願いします。」

それだけ言って、目を瞑る。
それを見た麻生は剣をユミナに向かって、一気に振り下ろす。
しかし、剣がユミナの身体を斬り裂く事はなかった。
なぜなら、上条が直前にユミナの身体を突き飛ばしたからだ。
麻生は殺意の籠った目で地面に倒れている上条を見つめる。

「何の真似だ、当麻。」

上条は左手でユミナの身体を起き上がらせる。
そして、麻生の視線を真正面から受け止め、言った。

「やっぱり、割り切れねえよ。
 俺はこの人を見殺しにする事はできない。」

「自分が何をしているのか、分かっているのか?」

「ああ、分かっている。
 でも、理屈じゃねぇんだよ。
 俺は諦めない、何か方法がきっとある筈だ。
 きっと、何かが。」

その言葉を聞いて、麻生は眼を閉じてため息を吐く。
そのため息はいつものとは違った。
余計な手間が増える事を、面倒と思うものだ。
ゆっくりと目を開け、麻生は言う。

「なら、お前を倒して、そいつを殺すまでだ。」

「ッ!?」

上条は左手でユミナの手を掴むと、そのまま走り去って行く。
ナタリアは一瞬、どうするか迷うが、上条達に着いて行く。
インデックスも追いかけるが、途中で止まり、少しだけ麻生に視線を送ると、そのまま上条達を追いかけに行った。
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