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World of Destiny Crossed―魔法少女と剣士の物語―
第一部
魔法少女と剣士
やって来た非日常
[2/5]

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だ?)

『わ、わたしは――大切、だよ。家族も、友達も、大好きで、とっても大事な人達だよ』
『本当に?』
『本当だよっ、ウソな訳無いよ!』

 まどかが珍しく強い口調で返す。それもそうだ。今日出会ったばかりの転校生にそんな知ったような口調で意味不明の質問をされたら強く出てしまうのも仕方ない。

『もしそれが本当なら、今とは違う自分になろうなんて絶対に思わないことね』
『……え』
『さもなければ―――全てを、失う事になるわ』

 人が一人歩き出す気配。数歩進んで音が止む。

『あなたは、鹿目まどかのままでいればいい。今まで通りに、これからも』















 後ろで茫然自失といった様子で立ち尽くすまどか。彼女は警告を受け入れてくれるだろうか。()()はまどかが直ぐに魔法少女になってしまうことは無くなった。
 今回も何としてでも防がなければならない。

(直近の懸案事項は……あの男)

 今までの世界で見たことが無い、初見の男。様子からしてまどかや美樹さやかと親しげであったが……。あの男はいったい何なのか。
 無関係の存在なのか、敵なのか。それとも―――

「……っ!ばかばかしい」

 信じられるのは自分だけ。もしあの男が邪魔をすると言うなら始末するだけだ。

(どちらにしろ、少し調べてみる必要があるわね)

 今までとは違う些細な変化がどう関わってくるのか……今度こそ失敗は許されないのだ。

「必ず――あなたを、助ける」











 さて、授業だ。

「む……」

 数学、それは俺の天敵とも言っていい教科だ。数ヵ月前まで、ほーてーしき?何それおいしいの?だった俺はちょっと捻られた問題を出されるとたちまち脳がフリーズする。―――というか、理系教科は元々あまり得意じゃない。
 今、目の前には数字とミミズが合わさったような数式が書いてある。

「何あれ、宇宙の真理でも書いてあんの?」
「んなわけないでしょ」

 打てば響く気持ちの良いさやかのツッコミもどこか元気が無い。辺りを見回せば顔をしかめている生徒が殆どだ。(

 なんだ、難しいのか。良かった……)

 いや、良かないけど。高校受験……後1年半でこんな問題を解けるようにならないといけないんだよな……やれやれ。

「あー、では……暁美さん。前で解いてみてくれるかね?」
「はい」

 教科書を睨みながら四苦八苦やっていると、例の摩訶不思議転校生の暁美さんが指名された。立ち上がり、前の黒板まで歩いていく姿1つ取っても洗練された『何か』を感じる。

(あー……。もやもやする)

 洗練された―――言い方を変えれば、最適化
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