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アマガミという現実を楽しもう!
第7話:女難な新生活
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道の桜が散り始めて、葉桜になりかけていく。
 既に新入生を迎える桜の花びらはその役目を終え、次の季節に向けてその枝に葉を生やそうとしていた。桜の木の下には、まだ背丈に合わない大き目の学生服を着た男子生徒たちやあどけなさの残った女子生徒たちを歩いていた。
 俺も乗ってきた自転車を置き場に止めて、置き場に近い桜の木を眺める。桜、枯れちまったなぁ、もの悲しいな。そんなことを思いながらポケットに手を入れてボーっとしていると、前、本当に直ぐ前から声がした。

「たっくん、何ボーっとしてるの?」
「うおっ!」

 知子である。上目遣いで不思議そうな顔をして俺の顔を覗いている。てか、顔が近い。そんなに近づいて身体を傾けたら、その・・・やんごとなき二つの双丘と谷が見えてしまうわけでだな。いかんいかん、俺は紳士なんだ。

「知子、拓君、二人ともそろそろチャイムがなるわよ。早く行きましょう。」
「え、ああ、そうだな。」
「ええ」

 先にいた響が俺達に声を掛ける。腕に着けた時計の針は、8時30分を指す。早めに歩いていけば、朝のホームルームには間に合うだろう。時間ギリギリに学校に行って、デスレースを楽しむのも面白いんだけどな。さてさて、教室に行きましょうか。
 俺は二人とは別のクラスになった。クラス発表の時、それは分かった。一緒に行こうと誘ってきた知子は何かを確認するかのように、何度も何度も下駄箱近くの掲示板に張られたクラス表を見ていた。知子と一緒にいた響も「残念ね。」とぽつりと一言。クラス分けって、なかなか思い通りにうまくはいかないんだよな。一緒になりたい友人とは一緒になれないし、めんどくさいやつと一緒にされることもあるし、人間の一年を一喜一憂させる良い材料だよな、これ。
 そのときに気がついたんだよな。俺と同じクラスに、夕月瑠璃子に飛羽愛歌という名前があったこと。これって、アマガミの方の茶道部2人・・・だよな?キミキスにも同姓同名で顔を瓜二つの親戚がいるとかいないとかで有名な・・・。二人とも同じ中学だったのか、と思ったよ。いやはや、本当にクラス分けは本当にいろんな意味で期待を裏切ってくれるよ。
 知子と響とは廊下で別れ、俺は教室に入る。何人か、俺に気づき挨拶をし、俺も軽く挨拶を返す。自分の机に荷物を置いて、伸びをしてあくび。周囲を見渡すと、まだ新しい環境でお互いのことを探り探り会話しているような状態だった。趣味は?テレビ見た?とか、お見合いかって突っ込みたくなったな。みんな声のテンションが高く、中学に入ったという興奮が冷めていないようであった。授業が始まってからも、教室はしんとなり、授業が終わるとテンションが上がる。先生や授業、まるで新しい体験をしているんだ、というか未知を楽しんでいるんだな、という感じを受けた。
 先日、俺はある水泳部の部室
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