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気まぐれな吹雪
第一章 平凡な日常
22、不幸少年は不運少女に助けられる
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沢田が死ぬ気になって止めようとするが、失敗。

とまぁ、原作通りの流れだ。

そんなこんなで見事に失神した入江。

「銀、入江を連れて家に帰るぞ」

「は、え? なんであいつも?」

「いやさ、流石にかわいそうになって。それとも、神様の癖に見て見ぬ振りをするのかなぁ?」

「連れてくよ! 連れていけばいいんだろ!」

そう叫ぶと、銀は入江の方へと走っていった。

戻ってくるのを待たずに、オレは家の中に引っ込むことにした。

『要のバカヤロ〜』

玄関がしまる瞬間に聞こえてきた声は無視しておこう。

『無視すんなよ〜』

よし決めた。

今晩はたかられても絶対に飯を食わせねぇ。

ついでにオレの家に立ち入り禁止にしようかな。



†‡†‡†‡†‡†‡



「……あれ、ここは?」

「おっ。気がついたか」

帰宅から十数分。

ようやく入江が目を覚ました。

すぐに銀に水を持ってこさせる。

「大丈夫か?」

「あの、あなたは?」

「オレは霜月要。んで、コイツは銀。オレの友達(ダチ)だ」

「はあ……」

入江が、会釈をするように小さく頭を下げる。

「あの、ここは?」

「オレの家だ。お前、道端で倒れてたからさ」

いまいち何があったのかわからない様子で、入江は首を捻った。

どうやら倒れる前のことを覚えていないらしい。

ま、そりゃそうだろうな。

ずっとうなされてたし、あれは忘れた方がいいだろ。

チラッと、にらめっこ弾の沢田見たけど、あれはダメだな。

「そうですか。ご迷惑をお掛けしました」

「いえいえ」

そして、小さくお辞儀をして、帰ろうと立ち上がる入江。

ただし、その足元はふらふらである。

家を出て少し歩いたところで、入江は立ち止まり、こちらを向いた。

「僕は入江正一です。今日はありがとうございました」

うん、名前は聞かなくても知ってるぜ。

て言うか、さっきから銀がこっちをチラチラ見てきてんだけど。

「あ〜修正不可だな」

何か言ってるね。

「もうこれで、原作に戻れるどころか限りなく近くすることすら無理だな」

何か言ってるね。

聞こえない聞かない聞きたくない。

気にしない気にしない気にしてたまるもんかぁぁぁああああああ!!!!
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