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気まぐれな吹雪
第一章 平凡な日常
21、独りぼっちの寂しさ
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てられない。

だから、凪に声をかけたのかもしれない。

「えっと……あの、と……友達に、なってくれますか?」

「はい?」

「あっ嫌ならいいの……。ただ、要がよければ……」

「何言ってんだよ。いいに決まってるだろ!」

凪と友達になれるなんて、夢みてぇじゃねぇか。

極秘なんだが、前世のとき、もし会えるならクロームに会いたい、なんて夢があった。

それが、凪と会えるどころか友達だぜ?

「ならさ、メアドの交換とかいいか?」

「うん!」

気づけば、凪の表情も明るくなっていた。

赤外線通信で、交換完了っと。

急いで凪のメアドを、“親友”の欄に入れる。

因みに言っておくと、このグループには、武の名前も入っている。

雲雀は、“風紀委員”。

実は草壁のアドレスも持っていたりする。

そして不本意ながらにも、沢田と獄寺のメアドが入っていて、“クラスメイト”に分類してある。

「いつでもメールくれよな」

「うん。要って、いい人だね」

いい人……か。

そんなこと言ってくれたのは、凪が初めてだな。

前世での唯一無二の親友でさえ言わなかった、否、オレがいつも言っていた。

ま、その話はまた今度にして。

「じゃあな、凪。車に気を付けろよ」

「うん、わかった」

そう言ってオレたちは、いつの間にか夕日に照らされ出した町を、家に向かってあるいた。
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