楽園の塔編
胡蝶の夢
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間界に長居する事もないからね。ガールフレンドたちを誘って行こうと思ってたリゾートホテルのチケットさ。君達には色々世話になったし、これ・・・あげるから行っといでよ」
「海!」
「おおおっ!」
「こんな高ェホテル泊まった事ねぇ!」
チケットを受け取り大はしゃぎのナツとグレイ。
そこでアルカはある事に気づいた。
「おいロキ」
「ん?」
「俺達は5人いる。でもこのチケットは6枚。1枚多いぞ?」
そう。
現在ここにいるのはナツ、ルーシィ、グレイ、ルー、アルカ。
ハッピーは猫だからチケット不要であり、どう考えても1枚多いのだ。
「あぁ、それは僕がどうしてもチケットを渡したい人用なんだ」
「?誰?」
「まだ来ていないみたいなんだけど・・・あ、来た来た」
少し辺りを見回し、ギルドにやってきた人物に手を振るロキ。
その姿に気づいたその人物は一瞬怪訝そうな顔をし、被っていた帽子を少し上にあげた。
「・・・どう見ても、その女たらし顔はアンタだわ」
ティアである。
来て早々毒を吐くティアに、ロキはリゾートホテルのチケットを差し出す。
「はい。君には特に世話になったからね」
「あー・・・そういえばアンタ、何でここにいるの?消えたんじゃなかった訳?」
「ルーシィとルーに助けられてね」
そう、と頷くティア。
その会話に違和感を感じたルーシィはティアに声を掛ける。
「ねぇティア、もしかしてロキが星霊だって・・・気づいてた?」
「えぇ」
即答。
「あれ?でも僕が何者かは知らないって言ってなかった?」
「人間は偽る生き物よ」
バッサリと、それはもうバッサリと。
差し出されたチケットを右人差し指と中指で摘み、そこに書かれる文字を目で追う。
「アカネビーチ・・・あそこ、人が多いからあんまり好きじゃないのよね」
「行った事あるの?」
「何度か。ま、ありがたく頂いておくわ。たまには息抜きも必要だし」
そう言いながらアイスブルーのショルダーバックにチケットを入れる。
じーーーーっとファスナーを閉め、睨むようにロキを見つめた。
「ロキ。解っていると思うけど・・・」
「もちろん。『あの事』は誰にも言わないよ」
睨むように自分を見つめるティアの耳元に顔を寄せ、囁く。
その瞬間、腹に鈍い痛みが走った。
「っく!」
「あんまり近づかないで。女たらしは嫌いよ」
体を少しくの字に曲げるロキに冷え冷えとした声でそう告げる。
「エ、エルザにもさっき渡しておいた。楽しんでおいで」
「わーい!」
痛みを堪えながらそう言い、ロキは星霊界へと帰っていく。
すると、そこにエルザがやってきた。
「貴様等、何モタモタしている。おいていかれたいのか」
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