4話 魔王の一年と新たな事件。
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お前が今、その手に持っている魔道書をよこせ。お前には手に余るものだ」
爺さんの知り合いについて考えていると突然前から野太い声が聞こえた。
声の主が居るであろう場所を見るとそこには、筋肉隆々の野性味溢れる金髪の漢が立っていた。
見たところ現地の人らしいが、俺の持つ石版を見ながら漢の言った意味が分からない言葉を考える。
魔道書?この漢は何を言っているのだろうか?いい大人が中二病か?
俺が漢を観察していると気分を害したのか?はたまた何時までも石版を渡さない俺に
怒ったのか、漢の表情がとても迫力のあるものへと変わっていた。
「さっさと俺に渡せ、小僧。さもないと……」
ゾク
ヤバイ。
迫力のある表情で漢が喋った瞬間針を刺すような悪寒が俺の全身を駆け抜け、脳は
警報を鳴らす。
この漢はヤバイ、すぐに逃げろ。と…。
でも……。
「いや、あの……これは届け物で……」
「届け物だ〜?小僧、嘘をつくならもっとマシな……って、おいおいマジかよ!?」
「何だ……!?」
ブォオオオオオオ!!
正直に話して諦めてもらおうと勇気をもって話し合いをするが、その会話は
俺と漢が、驚愕の表情で左上の方向を見上げている巨大な存在によって終了した。
俺達が見上げているそいつは……
巨大なイノシシだった。
「っち、こんな時に……。おい小僧、見逃してやるからさっさと逃げな」
「……何なんだよ、あの非常識な生き物……」
「はぁ?テメェも魔術師なら知ってるだろ。まつろわぬ神、もしくはそれに従属する
神獣だろうが」
「まつろわぬ神…?神獣…?」
漢が言っている事がわからない。
衝撃な光景に頭が混乱する。
「……何もわからないなら、それでもいい。
小僧、これは善意でもう一度言ってやるからよく聞けよ。
さっさと逃げろ、早くしないと……
死ぬぞ」
漢は最後にそう言って、空へと飛んだ。
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