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ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
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 彼はソロプレイヤーとして危険探知系のスキルは一通り習得しているはずだ。レベルからして熟練度も低くはあるまい。

「ん?ああ、アレか。わざとだよわざと。如何せんMobをちまちま探してると夜が明けるからな。時間短縮」
「な……!?馬鹿なんですか!?一歩間違えれば危険じゃ……」


「承知の上さ。俺は攻略にかけられる時間が普通の連中より少ないからな。夜中にアラームトラップを使ってレベルを維持しないとならんのよ」



 何でも無いことのように言うが、やっている事はとんでもない。

「……あなたは、何故ここまでして攻略組に?」
「何故ってそりゃ……危ないだろう?」
「はい……?」
「実際はともかく、死ぬ確率が最も高いのは攻略組だ。俺が行って死人が減るならそれに越した事はない」


 何という……。


「……あなたに似合わないセリフですね」

 厭きれと感心が半々の調子で言うと、レイは少し不貞腐れたように言った。

「ほっとけってんの。あ、そうだ。この奥にたまーに経験値の多いフィールドボス居るんだけどさ。一緒に来ない?」
「……良いですよ。でも前衛はあなたですから」
「はいはい」

 自分とさほど年齢の変わらないだろう少年は歳相応な笑みを浮かべた。














 3,〜IF・『ヒロインが突然アレなメールを送ってきたら』〜




 布団の脇に放置してあった携帯がメールの受信を告げる。

「……ん、うん?」

 微睡みの中にあった螢は半分寝た頭で受信ボックスを開き、内容を見る。差出人は木綿季だった。

「んー……?」

 ボー、とした頭では内容の理解が追い付かない。
 何やら彼女らしかぬアレな内容な気がするが、多分それは寝ぼけている事から来る曲解だろう―――と既にそんな判断が下せる程に覚醒はしていたが、あまりにも普段の彼女の言動、性格からは考えられない内容なため、気のせいとして返信の文面を組み上げる。

 文末に『〜たい?』という文字が見えたため……

「『ああ。そうだな』……っと。……送信」

 次の瞬間、力尽きた彼はまたもやヒュプノスの楽園に旅立っていた。








(うわぁぁぁ……!?)

 動揺のあまり汗ばんだ手に持つ携帯端末をプルプルと奮わせ、グルグルと支離滅裂な思考を繰り返す。

 送るつもりなどは無かった。携帯という機械をこの歳になって初めて持った木綿季はただ文章を打つ練習をしていただけで、内容もどうせならきちんとしたモノにしようと文字を羅列していたら何時の間にか妄想――もとい、ちょっとませた願望を書いてしまって……ほんの出来心で脳内にそれを映像化するという所業をしていたら、
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