暁 〜小説投稿サイト〜
くだらない世界から飛び出して

[1]後書き
 
空にはたくさんの星が瞬いている
自分がそこにいることを必死で示すかのように
あなたの目指す星は今でもそこにあるのかい?
既に消えてしまっているかもしれない存在に希望なんて持てないよ

明日は晴れですと、テレビの中の人が言ったって
どこか他人事のように思えてしまって
世界は自分一人を取りのこして進んでいるみたいで
コンビニに向かう足を速めてみるけど
信号は渡りきる前に赤く変ってしまっていた

路地裏で愛を歌うミュージシャンたちも
その言葉が届く相手はそこにはいないのだろう

きっともっとずっといい世界が僕にはある気がするんだ
生きていくことなんて簡単だよ
そう言って笑う君すら僕には嘘っぱちに思える
海に漂う波のように 当たり前に繰り返す世界は
月の光と一緒に滲んでいった


隣をたくさんの人たちが通り過ぎる
みんな大切そうに何かを抱きしめながら
あなたが持っているのは本当に大事なものなのかい?
そんなこと何も持っていない僕にはわからないけど

今日よりも明日が素敵になんて思えて生きていければ
少しくらいはこの日常が変わっていたのだろうか

きっともっとずっといい世界が君にはある気がするんだ
そろそろ先に歩いて行こうか
そう言って手を伸ばす君も世界の歯車の一部なんだろう
街の喧騒を背にして ビルの屋上から一歩踏み出す
濁った風が背中を押した気がした

昨日とは違う明日がそこにはあるのかな

[1]後書き


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