暁 〜小説投稿サイト〜
とある星の力を使いし者
第112話
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

麻生が見た生物はこの世の中にどこにも存在しない。
クラーケン、と麻生は言った。
だが、おとぎ話などで出てくるクラーケンの方がまだましだ。
それだけ、目の前にいる魔物は異質で異様で恐ろしいモノなのだ。
麻生はそのクラーケンの本体を見て、驚きの表情を浮かべる。

(こいつ、死の線が見えない!)

直死の魔眼は死を理解できないモノ、その時代において壊す(殺す)ことが不可能なモノ、そもそもいつか来る終わり(死期、存在限界)の無いモノは、その死も理解できないので線も点も視えず、殺すことはできない。
その時点で対象の死が理解できない場合、殺すことは出来ないのである。

(ッ!!)

能力を使い、自信の周りに剣を具現化させ、操り、足を切断する。
死なないと言っても、足などは普通に切断する事はできる。
数秒もしない内に、足は再生して元に戻る。

(艦隊を襲っていた足にはちゃんと死の線が見えた。
 それなのに、今はその影すら見えない。
 どういう事だ・・・・)

麻生は考えながら、海の中から出る。
海の上では艦隊同士が連携を組み、何とか足の攻撃を防いでいた。
その足にはしっかりと、死の線が見えていた。
そこでようやく、麻生は気がついた。

(そうか、こいつは海の中にいる時だけ死という概念が無くなる。
 こいつを殺すには海の中から引きずり出す必要がある。)

クラーケンの大きさは数十キロメートルもある。
この巨大な生物の身体を海から引きずり出すなど、容易ではない。
その時だった。
麻生の近くの艦隊が突然、ひびが入った。
そのひびは徐々に侵食していき、やがて艦隊全部に広がる。
その艦隊だけではなかった。
どの『女王艦隊』も同じような状態になっていた。
そして、艦隊は崩れ始めていく。
急いで麻生は近くの艦隊に降りると、能力を使い、崩壊を防ぐ。

「どうなっている、どうしていきなり崩壊し始めるんだ!」

「わ、分かりません!
 ですが、可能性を挙げるとしたら旗艦である『アドリア海の女王』に、何かがあったとしか考えられません!」

この『女王艦隊』は核となる霊装があって機能している。
つまり、その霊装が破壊などされたりすると、それを核としている『女王艦隊』は崩壊していくのは必然と言える。
つまり、その核であるその霊装に何かがあったという事。
この状況で霊装に何かがあるとしたら、それは一つだけだろう。
そう、上条当麻の幻想殺し(イマジンブレイカー)がその霊装を破壊したのだろう。
旗艦の中なら、外の状況は分からない。
ビオージアと戦っていれば、霊装が破壊されるのは仕方がない事だろう。

(それにしてはタイミングが悪すぎる。
 どうする・・・どうする!
 考えろ、この『女王艦隊』
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ