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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
短編 あるお盆の物語 G
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でしょう!?」

鈴女は冷静に説得しようとするが、二人は聞く耳を持たない。

「卵が栄誉ある“席組み”にいるなんて・・・」
「ああ、やはりそう言うことか。うん、そう思うのも無理はない。何せ、私達の中にも最初はそう言うものが多かったからな。」
「だったら、何故追い出そうとしない!そして、貴方達が行動を起こさないから僕たちがこうしているんです!」

まあ、二人がやりたかったことは、自分達でも霊獣が殺せることを証明し、ただ霊獣を殺しただけで“席組み”にいる一輝を引き摺り下ろそう、ということだ。
日本において、“席組み”にはいるということはそれだけ、陰陽師があこがれていることなのだ。

「まあ、それは追い出せる人がいなかったから、だよ。彼は“席組み”にいるに足る存在だ。」
「そんなこと・・・」
「信じられないのなら、自ら確認すればよい。一輝殿からの伝言だが、『一度俺のところに来い。実力の差を思い知らせてやる。』だそうだ。」

鈴女は一輝の口調を真似てそう伝え、立ち上がって霊獣たちのほうを見る。

「これで私の役目は終わりかな、白夜殿?」
「ああ、助かった。俺や拳ではそう言ったことは出来ないからな。」
「では、第一席はあの二人を!ここはおれたちで十分!」
「無論、そのつもりだ。」

白夜はそう言うと、バカ二人の襟足をつかみ、その場を去った。

「二人だけでよいのか?」
「ええ。彼には、もっと大きな存在を相手してもらいますので。」
「ところで、いい加減名を聞かせてはくれんか?こちらはもう名乗った、名乗るのが礼儀であろう!」

拳がそう言い放つと、霊獣は「確かに、礼儀に欠いておったな。」といい、名乗りを上げた。

「我が名は“ヤタガラス”!日ノ本の先触れが一人よ!」

そして、三つ目の戦いが始まった。

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