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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
短編 あるお盆の物語 D
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再び時間を遡り、場所も変わって第一部隊のところ。

「特に作戦はない。以上だ。」

白夜はそう二人に言って、刀を抜いた。
特に名があるわけでもないが、夜刀神家に伝わる強力な・・・強力すぎて、危険すぎる妖刀だ。

「相変わらず単純だな、白夜殿は。拳殿はこれで?」
「うむ!なんせ俺はバカだからな!作戦など説明されても理解できん!!」

冷静に式神の調節をする鈴女と、ガッハッハ!と笑う拳。
正反対な二人だが、意外と気が合う二人でもある。

「そうだ、先ほど捕らえた猪を焼いたのだが、食べるか?美味いぞ!」

そう言いながら、焚き火で焼いた猪一頭分の肉を差し出す拳。

「やけに来るのが遅いと思ったら・・・そんなことをしていたのですか?」
「うむ!腹が減っては戦に勝てぬ!単純に美味いものはそれだけで力をくれるからな!」
「相変わらず単純すぎる考えだな・・・だが、間違ってはいない。ありがたくいただこう。」
「では私も。御相伴に預かるとしよう。」

そういって、拳は漫画に出てくるような骨付きの肉を豪快に食べ、白夜と鈴女は普通に箸で食べ進めていく。
そして、一頭分の肉を三人で食べつくし、食器や骨を片付けたタイミングで、日付が変わり、妖怪の大量発生が始まる。

「お、始まったな。では討伐開始と行こうか。」
「では、まずは動きを封じるとしよう。縛れ、『紅緋』!」

その言葉と同時に鈴女の背後に一メートルほどの蜘蛛が現れ、糸を吐いて周りにいる妖怪を全て縛り上げる。
鈴女は紅緋の口元の、全ての糸がまとまったところを切り、拳に渡す。

「では拳殿、お願いします。」
「任された!天よ、我に雷撃の加護を与えん!」

拳がそう唱えると、天から落雷が拳に当たり、拳のもつ紅緋の糸を通じて全ての妖怪に流れ込み、その命を奪う。

では、まず鈴女の奥義から説明するとしよう。
まあなんてことはない、全ての式神を使うことができ、その力を300%発揮できる、というもの。
本来そこまでの負荷をかければ、式神は壊れてしまう。だが、それが起こらないのが土御門の奥義の一端である。
さらに、土御門の人間は式神を紙の状態ではなく、自らの体(・・・・)に入れ、持ち歩く。常に武装を解かない一族だ。

次に拳の奥義。
これについては、本当に単純なものだ。
それは、天に頼み、天より雷を預かり、それを扱うというもの。
体にいくら電撃を流し込んでも効かないなどのことはあるが、本当に、ただそれだけの単純な能力だ。

「さて、これで近くにいたものは退治できたが・・・」
「今年はいつもより特異点の数が多い。その上、三箇所に一際でかいのがあるからな。早々数は減らん。」
「だが!向こうも無限ではない!いつか終わることだ!」
「単細胞が・・・ま
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