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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
短編 一輝と湖札の物語 @
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これは一輝が十三歳のころの、まだ鬼道を名乗っていて、湖札と同じ家(神社)に暮らしていたころの話である。
土曜日、休日の朝、一輝は起きると同時に体が動かしづらいことに気付く。

《金縛りか・・・?いや、ここは神社だし・・・》

一輝は寝惚けた頭でそんなことを考えながら、目をこすろうとして動かないことに気付く。
そして、そのまま目を開け、ぼやけた視界の焦点が合うのを待ち、自分の体を見ると、そこには自分に抱きついて寝ている少女がいた。

「ああ・・・また湖札か。さて、今日はどうするか・・・」

今の一輝の台詞からわかるかもしれないが、湖札はちょくちょく一輝の布団に入り込み、一輝に抱きついて寝ているのだ。
いつもなら躊躇いなく起こすのだが、(声をかけたり、体をゆすったりと優しい方法で、だ。)今日は学校も休みで特に急がなければならない用事はない。ゆっくり寝かせてやるのもよいかと思ったのだ。

「このままじゃ俺が動けないし、仕方ないか。おーい、朝だぞー。起きろー湖札。」
「うみゅ・・・後1」
「一分か?まあ、それくらいならいいが・・・」
「時間。」
「今すぐ起きろ!どんだけ俺の行動を制限する気だ!」

違和感を感じている方がいるかもしれないが、このころの湖札はこんな感じだ。
本編の湖札は旅で精神的に成長しただけに過ぎない。

「ふぁ〜・・・おはよう、お兄ちゃん。」
「ああ、おはよう湖札。朝っぱらから俺に抱きついてた理由は?」
「昨日の夜ね、急にお兄ちゃんに抱きつきたくなったの!」
「またそれか・・・湖札はもうあと二ヶ月で中学生だって自覚はあるのか?」
「大丈夫!他人がいるところでこんな態度は取らないから!」
「友達がいるところではなんの躊躇いもなく取ってるよな!それも止めろ!」
「もう皆には話してるよ!私はお兄ちゃんが大好きだって!」
「始めて聞いた人は、全く違う意味で取ってる!兄弟愛的な意味で取ってる!この間も俺と湖札が一緒のところを始めてみて、絶句してやついたよな!」

まあ、もうお分かりだろう。
湖札は、超がつくレベルのブラコンである。
再開したときのあの態度は、一輝と敵対することになると分かっていたことや、これもまた旅で精神的に成長したことが原因だ。
まあ、それでもブラコンは治っていないのだが。

「はあ・・・もういいや。腹も減ったし、メシ食いに行くぞ。」
「うん!あっさごっはん〜あっさごっはん〜!」

二人はそのまま、食卓まで移動して朝食を取る。
そこに移動するまでの間、湖札は一輝の腕に抱きついていたが、もう描写はしない。

「「「「いただきます!」」」」

こうして、四人で朝食を取るのがこのころの鬼道家の日常だ。
さすがに、一輝もまだ自分で依頼を取っていないので、夜更か
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