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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
猪鹿蝶
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は体中の痛みもピンチに同期が駆けつけてくれた感動も全て忘れて、呆れるやら状況が飲み込めないやらで、目をぱちくりさせていた。

「よぉおおし、お前等わかってるよなァ!? これは木ノ葉と音の戦いだぜい!」
「……ったく、めんどくせーことになりそうだぜ……」
「それはこっちの台詞だ!」

 何気にキャラまですごいかわってしまっているのだが、大丈夫だろうか。溜息をつくシカマルに、ザクも不機嫌に吐き捨てる。さっきまで逃げ腰だった奴がここまでキレるとは思ってなかったらしい。

「サクラ、マナ。――後ろの人達、頼んだわよ」
「――うん」
「ラジャーっ」
「わんっ」

 いのの声に、新たな力が湧き出たようにサクラは頷く。マナも敬礼し、紅丸もさっさとサスケやナルト、ユヅルのところへと駆けていった。
 サスケの体からは紫色のチャクラが染み始めている。サクラとマナは頷きあって、リーとはじめをサスケとナルトの近くへ引きずりだした。

「――それじゃあいのチーム、全力で行くわよ!」
「おう!」
「フォーメーション、いの!」
「シカ!」
「チョウ!」

 掛け声を出して、先ずはチョウジが一歩前に進む。

「頼んだわよ、チョウジ!」
「オーケイ、倍化の術!」

 チョウジの胴体だけが衣服ともどもぼん、と膨らみ巨大化する。

「続いて、木ノ葉流体術・肉弾戦車ァー! ごろごろごろごろごろ!」

 手足と頭を衣服の中に引っ込め、自分でごろごろごろと効果音を出しながら前へ向かって転がる。破壊力は満点だ。こんなコミカルな体術が見れるのも恐らく木ノ葉だけだろう。

「なんだこのデブ? デブが転がってるだけじゃねえか! ――斬空波!」

 両手から空気圧を放ってその巨体を弾こうとするが、しかしその回転力はかなりのものだ。ザクの空気圧をもってしても弾けない。更に空気圧が強まると、チョウジは回転したまま空高く飛び上がる。
 こちらに向かってくるチョウジをどう始末しようか迷っているザクにドスが駆け寄るが、シカマルがそうはさせない。奈良一族秘伝の影真似の術でドスの影を縛り付ける。ドスの動きが止まった。そしてドスは彷徨わせた視線の先、ニヤリと笑うシカマルの姿を見つけた。

「ドス! こんな時に何をやっている!?」

 キンが罵声を飛ばしたのも同然だ。ドスは蟹股になり、両腕で丸を描いて両手を自分の頭にあてるという、なんとも間抜けなポーズをとっていたからだ。いや、正確にはとらされている、というべきだろうか。ドスの前ではシカマルが同じ姿勢をとっている。

「いのー、後は女だけだ」
「うん! シカマルー、あたしの体、お願いねぇーっ」
「ああ」

 印を組んで、キンに狙いを定める。はっと目を見開いた少女目掛けて、いのは心を飛ばした
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