暁 〜小説投稿サイト〜
レンズ越しのセイレーン
Mission
Mission Complete ソスピタ
Ludger & Jude
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そうでないと、自分は友人の心を何一つ分からなかった非道い男で終わってしまうから。

「……これは、僕個人の意見だけど」

 ジュードが言った。ルドガーはぼんやりと顔を上げる。

「ルドガーはあの時、銃を自分に向けた。ユティがいるのにそうしたってことは、ルドガーが銃を取ることだけはとりあえず絶対に近いレベルで起きる出来事で、それを変えた彼女は、確かに一つだけ、運命を大きく変えてみせたんだ」

 ジュードは握った手を胸に当てる。そこに宿った何かを繋ぎ止めるかのように。

「ユティが死んで、本当に胸が、痛い。でも僕はどうしても、感謝の気持ちのほうが強いんだ。死んでしまうはずだった君と、こうして今向き合って話せてるのは奇跡だって、命で教えてくれたんだから。その『世界』を拓いてくれた彼女に」

 彼女がいたから自分がいる。彼女が生かしたから自分は生きている。
 いまルドガーの中で鼓動を打っているのは、ユティがくれた命だ。

 ルドガーは胸を押さえて、泣いて堪るかと、天を仰いだ。

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