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銀河親爺伝説
第二話 博打
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な”と笑った。同感だ、茶番以外の何物でも無い、でも俺には笑えなかった、キルヒアイスも笑っていない。
「准将に昇進した、閣下と呼ばれるようになった。兵卒上がりの士官としてはこれ以上は無い栄誉だ。だがな、俺は少しも喜べなかった。何の感動も無かったよ。むしろこんなものかと思った、こんなもののために大騒ぎしたのかと思った」
事実だろう、爺さんは淡々と話している。

爺さんが俺とキルヒアイスを見た。
「分かるか? 世の中には不当な事なんて幾らでも有るんだ。ちょっとくらい上手く行かなかったからって不満面するんじゃねぇ」
「……」
反論したかったが出来なかった。この爺さんの前じゃ誰だって口を噤むだろう。

「リューネブルクが嫌いか? だがな、お前は奴の何を知ってるんだ? 知った上で不満を持っているのか?」
「……何か有るのか、あの男に」
俺が問い掛けると爺さんは舌打ちして“やっぱり分かってねぇんだな”と言った。

「奴は逆亡命者だ、親に連れられて亡命し自分の意志で戻ってきた。だがな、上の方はそんな奴を信用しなかった。三年間戦場に出さなかったんだ。奴の立場は俺より悪いだろう。少なくとも俺は差別はされても不信感はもたれてねえからな。奴は戦士として男として一番働ける時を無駄飯食いに潰す事になったんだ」
「……」
「好きで食った飯じゃねえぞ、嫌々食った飯だ。辛かっただろうぜ、何故自分を信用しないのか、そう恨んだだろう」
「……」

「今回の出征でようやく戦場に出られると喜んだだろうが配属された所が此処だ。絶望しただろうぜ。何の戦果も無しに戻れば役に立たないと言われかねないんだ。次の出兵なんて有るかどうか……、こんなクズ部隊に押し付けた癖にな」
「そう、だろうな」
俺でさえこの部隊には幻滅している。後の無いリューネブルクにとっては……。

「そんな時にお前が反乱軍がいるかもしれないと言い出したんだ。喜んだだろうな、奴は今三十五の筈だ、装甲擲弾兵として戦場で戦える時間はそれほど長くない。まして装甲擲弾兵が働ける戦場なんて多くないんだ。このチャンスを絶対逃したくない、そう思ったはずだ」
「……」
爺さんが俺を見た。

「分かるか? だから奴はお前を副将にしたんだ」
「どういう事だ?」
思わず問いかけた、キルヒアイスも不思議そうな表情をしている。
「お前が奴の事を嫌いなように奴だってお前の事を嫌いだろうさ。自分が無駄飯食っている間に准将になってるんだ、好きになれるはずが無い」
俺もそう思う、なら何で副将に?

「だがな、奴は昇進したかった。だからお前を副将にしたんだ。自分が功績を上げれば問題は無い。お前が武勲を立てれば自分の作戦指導の宜しきを以て、そう報告することが出来る。そしてお前の上げた武勲を上は無視できない。お前と組め
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