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IS 〈インフィニット・ストラトス〉×トリコ 食を探求する夏の毒!
最後のけじめ 一夏VS千冬 決戦の果てに 後編
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とめる鎖の様な役割をしていた」

優秀な家族がいれば、その子供や弟や妹に期待をかけるのは当たり前の事だ。だがまだ大人にもなっていない一夏(かれ)には負担になりすぎていた。まだ純粋な心に期待という重圧は、徐々に心を犯して毒していった。心は腐っていき、腐敗していく。段々脆く壊れやすくなっていく。何時崩壊しても可笑しくなかった織斑 一夏の心、それを繋ぎ止めていたのが唯一の家族である姉である千冬であった。姉がいるから、彼女がいるから生きて来れた。姉がいるから耐えて来れた。どんな言葉にも、力にも耐え来れた。でも

「私が…」
「そうだ、一夏(かれ)の心は辛うじて崩壊を間逃れていたがあくまでそのば凌ぎの延命処置に過ぎなかったのだ。何時までもお前だけで維持出来るはずもなかった。一人になる度に心はほんの少しずつ欠けていった。舞い落ちる桜のようにな、その決定打になったのが政府のあの決定だった」

3年に一度行われるISの世界大会、モント・グロッソの第2回大会、一夏(かれ)は誘拐された。重武装の大人に囲まれ、声を上げれば拳銃を突きつけられ、死の恐怖を煽ってきた。それでも心が壊れずにいたのは姉が絶対に助けに来てくれるという願いだった。自分にとっての救いの正義の味方である家族が助けに来てくれると信じていた。だが現実は非情だった。

「だが現実はお前は助けに行かなかった。正確には行けなかっただがな、だが一夏(かれ)に訪れたのはどんな感情だっただろうな。心に刻んだ心を繋ぎとめておく鎖、それが崩れ去ったのだ。そして次の瞬間に湧き上がったのは憎悪と怒りだった」

千冬は全身が痙攣するような感覚を晒されながら話を聞いていた。だが聞くほどに辛かった。胸が締め付けられ、なきたくなってくる。だが泣いては全てが崩れ去ってしまう気がしてならない。

一夏は自虐に満ちた目で千冬から目を逸らした。今にも何かを爆発させそうな雰囲気を持ちながら

「そうしなければ心を保つ事が出来なかったんだろうな一夏(かれ)は。無造作に引き裂かれた心を修復するにはそれらの黒い感情で亀裂を埋めるしかなかった。どれ程だったろうな…彼の、いやこんな回りくどい言い方は辞めよう。正直、俺はあそこまでの憎しみを抱いた事は、あの時が一番深かっただろうな、ハァッハッハッハッハッハッハ!!!!」

笑っている、一夏が笑った。しゃっくりにも似ている引き攣っているような悲しげで狂った声を上げて笑っている。一夏の目には涙が溜まっていた。

「何がお前は私の宝だ!私だけが家族だ!!結局俺は国に見捨てられてたのさ!母国に、日本国家代表が属する国にな!!憎くて憎くてお前をどれだけ殺したくなった事か理解出来るか!?例えこの怒りと憎しみが正しく無いものだと解っても沈める事が出来ない無限に心から湧き上がってくる怒り!!どん
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