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深き者
第三十四章
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第三十四章

「この色を見ればな」
「あからさまに怪しいですね」
「そうだ。これは間違いなく毒の色だ」
 また言う役だった。
「この紫はな」
「そうですね。それじゃあ」
「これからは切るより焼くことだ」
 役はあらためて本郷に告げた。
「わかったな」
「ええ。それでいいきましょう」
 確認し合いそのうえでいよいよ中に入る。その中は。
 至る場所にその赤い海草が漂っている。それは海中にもだ。そして忽ちのうちに二人を取り囲んできたのであった。
「来た!?」
「それもいきなり」
 二人は身構えすぐに火を放つ。しかし今度は量が違った。
 次から次にやって来る。焼けども焼けどもだ。まずはそれに危機を覚えた。
「どうします?これ」
「きりがないな」
 二人はそれぞれ危惧する声で言ったのだった。
「このままだとな。消耗が過ぎる」
「それが狙いですね」
「その可能性はあるな」
 役はそれを否定しなかった。
「どうやらな」
「火でいちいち焼いていたんじゃラチがあかないかも知れませんね」
「それならだ」
 それは役も判断した。そしてそのうえで、であった。
 右手に持ったままだったその剣を振り回した。そしてそこから凄まじい冷気を繰り出し海面をその場だけ一気に凍らせてしまったのである。
 そこには海草もあった。彼は海草ごとその海を凍らせてしまったのである。
「これでいいな」
「また派手にやりましたね」
 周囲の殆どの場所を瞬時に凍らせた。これによりその海草を完全に封じてしまったのである。
 そしてその正面を火で溶かしながら進む。こうして海草をかわしたのだった。
 そのうえで先に進むとだった。目の前に岩山があった。今彼等がいる場所にただひたすら不気味なまでそびえ立っているのであった。 
 その岩山を見上げて二人は。いよいよ不吉なものを感じた顔で言い合うのだった。
「役さん、こいつだと思いませんか」
「というよりかはこれ以外にはないな」
「ですね。この岩山ですね」
「これだ」
 ここにいる、ではなかった。今の言葉は。
「これこそがあの神だ。古に滅んだ筈のな」
「神ですか」
 本郷は笑っていた、しかしその顔には極度の緊張がある。汗すらかいている。
「何かわくわくしてきますね」
「楽しみか」
「強い相手と戦うってやつですか?」
 彼がここで出したのはこの言葉だった。
「何かそういうのがね」
「そうか。楽しみなのだな」
 役は本郷のその言葉を聞いてまずはこう彼に言ったのだった。
「君らしいな」
「俺らしいですか」
「そうだ。君らしい」
 また彼に言ってみせた。
「そして君がそう言うと私も安心できる」
「それは何よりで」
「いつものことだがな。それではだ」
「ええ。このデカブ
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