暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜ニ人目の双剣使い〜
訪問と再会
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
菊岡との交渉から数日後
俺は菊岡に前回と同じファミレスに呼び出された

「お一人ですか?」

「いや、人を待たせているはずなんだが……」

店に入ると実用性皆無のフリフリのレース付きエプロンを付けたウェイトレスが寄ってくるが、スルーし店内を見渡す

「おーい、こっちこっち!」

全力で手を振っている見覚えのある眼鏡を見かけたので嘆息する

「……アレの連れです」

「そ、そうですか。ごゆっくり」

可哀相に。ウェイトレスの社交辞令的笑顔にヒビが入っている

「やあやあ、よく来たね」

「ガキか、おまえは」

ウェイトレスが持ってきた水を一口飲み、おしぼりで手を拭く

「嫌だなぁ。子供心を忘れないように心掛けているだけだよ」

「別に否定はしないが、時と場所を選べ」

公共の場でいい大人がやるようなことではないだろう
何人かが、こちらを見てヒソヒソ話をしているし、今日は厄日か

「さてと、本題に入ろうか」

ふざけた顔を引き締め、眼鏡をかけ直した菊岡がテーブルに肘をついて、顔の前で手を組む

「結論から言うと上に掛け合ってみたところ、許可は出たよ」

「そうか」

思わず、詰めていた息を吐いた。何はともあれ第二関門は突破である

「しかし、上はそれに条件を付けてきたよ」

「条件?」

「君のご両親。つまり、鈴木家からの援助を取り付ける手伝いを君がすること。これが条件だ」

かなり苦い顔で菊岡がそう言い放った時、俺は思わず水を飲もうとしていた手を止めていた

「……バカなのか?」

「君の言いたいことはよくわかるよ。君がキリト君の家にいることから容易に推測できるしね。でも、書類上は親子関係は続いている」

「どういうことだ?」

確かにあの時、俺は父親に勘当を言い付けられた。あの父親が勘当の手続きを忘れるはずがない。ならばなんのために……

「人の心は僕には読めないけど……ご両親ともう少し話し合ったらどうかな?」

「……考えておこう」

「話を続けるよ。現場のことを考えない、書類だけしか見ないロボットみたいな上のために、リン君にも交渉に同席して欲しいんだ。……そもそも拒否権はないんだけれど」

上司に恨みでもあるのだろうか?
だが、国とかの行政はいつも現場を見ていないのはもはや必然

「わかった。それで、それはいつなんだ?」

「また、決まったら連絡するよ」

ウェイトレスにコーヒーを頼んで溜息をつく
その溜息を聞いて嬉しそうにケーキを頬張っていた菊岡がこちらを見た

「どうしたんだい?」

「いや、なんでもない」
















†††






[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ