暁 〜小説投稿サイト〜
ロボティックス・ワールド-Robots of underground facilities-
9.エンディング
地上

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エレベーターが地上に着く
扉が開き最初に映ったのは
壁だったものと鉄骨、あとは更地ってところだろうか
この近くはビルが多かったから一面更地ってことにはならなかったみたいだが

明らかにもう誰もいないということを悟れるくらい
何も残っていないと言えるだろう

信号機だったもの
踏切だったもの
建物だったもの

窓ガラスはすべて割れて破片となり
木なんてものは綺麗さっぱり無くなっていた

「・・・」
『・・・』

何も言えなかった



滅ぶ前に見た街と今の街を照らし合わせながら進む
こんなことをしなくても家の場所は分かっている
座標を知っている
しかしどうせなら
照らし合わせて何がどうなってしまったのかを見ていった方がいいと思った
昔建っていた高層マンションなんて
今はせいぜい二階程度の高さしか残っていない
部屋も剥きだしの状態だ



「昔はよく変な目で見られてたよね」
『まぁロボットが歩いて喋って心を持ってるなんて普通驚くよね、機械なのに』
「当たり前の反応だよな」

お父さんはまるで違った
俺らを実の子供の様に、そんな風に話してくれた
関わっていた
作った人だからなのかもしれないが



「この曲がり角を曲がればお父さんの家だ!」

そういって少しだけ早く進む
ビルの残骸で丁度家が見えない

『まだ見えてこないね』
「そうだね」



そして、曲がり角を曲がった



「・・・」
『・・・』

そこには、家の残骸だけがあった
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