暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第五五幕 「サムライガールの恋路の行方?」
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
だ。目の前で腕を組み引き締まった表情をするその先輩はおもむろに箒にびしりと指を指した。

「君には戦いに必要なとある決定的要素が足りない!!」
「な、何だと!?」

鍛錬は欠かしていない。技術も篠ノ之流ならほぼマスターしているし古武術の方も抜かりはない。実際剣道の試合では常勝無敗。これでいったい何が足りないというのだ、この男は!!

「君に足りないもの、それは・・・闘志だ!!」
「・・・・・・精神論ではないかっ!!」

・・・ここでズッコケたのは箒だけではなかったことを明記しておく。



 = = =



「いいかい、篠ノ之さん。闘志とは戦う意志、現状に立ち向かう意志なんだ」

また始まった、と箒は思った。彼に出会ってから早1週間、毎日のように教室を訪れては闘志の何たるかについてこんこんと語りだすこの変人(せんぱい)は剣道の顧問が目に余る試合をする私を懲らしめるために呼んだらしい。まぁ、ある意味効果はてきめんだった。何故ならその日以来私の矛先はこの先輩にずっと向いているからだ。

「ただ怒りに任せて体を動かすのとは全く違う。怒りは立ち向かう意志ではなく現状に対する不満をぶちまけているだけなんだよ」
「そんなことはどうでもいい!!それより今日も相手になってもらうぞ、真琴(まこと)先輩!!」

そしていつも長話に耐えられなくなった私がこう言い放ち、話の続きは剣道場で拳と剣を交えて行われる。
彼が現れてからこの学校での生活は変わった。最初はじろじろと無遠慮な視線を向けてきたクラスメイト達は、今では私と先輩の様子を見て「またやってるよ」と苦笑いするし、今まで最高に退屈だった休み時間も先輩に挑む貴重な時間となった。

先輩はとんでもない人だった。私の獲物が竹刀だろうが木刀だろうがあっさり受け流し、逆にこちらが何度も投げ飛ばされた。蹴りや拳を受けたことはないが、真琴先輩は空手部内では「蹴撃の鬼」と呼ばれるほどの人物らしく、それがまた「手加減されている」と私を苛立たせる要因になった。

「いずれは真面目に聞いてくれることを願うよ・・・それにしてもいい顔になったね」
「は?」

意味が分からず聞き返す。いい顔って何だ。私の苛立っている顔がどうしたというのか?その疑問を知ってか知らずか、先輩は満面の笑みで私の頭をポンポンと触った。

「出会ったころは野良犬か何かみたいな顔してたけど、今はちゃんと女の子の顔だ」
「の、野良犬、って・・・貴様ぁーーー!!」
「うわっ!教室の中は駄目だって・・・どわぁ!?」

ひくひくと頬を震わせた時には既に行動は終了している。持参の木刀は今宵も血に飢えている、という訳ではないが思いっきり馬鹿にされたとしか思えない発言に箒の頭は一瞬で沸騰した。憎い事に矢張り先輩はすん
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ