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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
九十八話:思い出の港で船出を待つ
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「お客さんで最後だな。準備ができ次第出港するが、やり残したことは無いかな?」
「ありません!今出ましょう、すぐ出ましょう!」
「そ、そうか。なら船の準備ができたら、出港するから」
「まだ出来てないんですか!?急いでください、何なら手伝います!!」
「い、いや。気持ちはありがたいが、慣れないとかえって手間取るから。大人しくしててくれ」
「わかりました!!気持ちだけ、応援してます!!」
「いや……船員の、気が散るから。できれば、離れてくれてると」
「わかりました!!」

 現在男装中なので、大丈夫かと思い。
 気にせずガンガン船長さんに詰め寄って、出港を早めてくれるようにお願いしてみましたが。
 やっぱり真っ赤になって、目を逸らされてしまいました。

 船員さんたちも赤い顔でチラチラこっちを見てるし、妙な趣味に目覚めさせてしまったかもしれない。
 悪いことをした。


 これ以上絡んでも邪魔するだけのようなので、甲板の上の作業の邪魔にならない場所に陣取って、大人しく出港を待つことにします。

 逃亡中でなければオラクル屋にも寄ってきたいところだったんですけど、優先順位ってあるからね。
 致し方ないね。
 ルーラを覚えたら、すぐにも戻ってこよう。

 なんてことを思いながら甲板に佇み景色を眺める私に、コドランが声をかけてきます。

「なーなー、ドーラちゃん。そろそろ教えてよ。なんで、ヘンリー置いて逃げてきたの?」
「置いてこないと、着いてきちゃうから」
「……そりゃ、ヘンリーならついてくるだろうけどさ。ダメなの?それ」
「うん。ダメなの」
「なんで?ドーラちゃん、ヘンリー嫌い……じゃないよね?」
「うん」
「じゃ、なんで?」

 うーん。
 言えるのから言えないのまで、理由は色々あるけど。
 言えるところで言うと。

「……ヘンリーは、あの国の王子様だから。あの国に、必要な人だから。母親を探すなんて個人的な理由で続けてる私の旅に、付き合わせるわけにはいかないの」
「……んー。まあ、意外にちゃんと王子様してたけど。でもなー」

 なんか、納得いかない感じに首を捻るコドラン。

 ……そんな可能性は考えて無かったけど、もしかして。
 やっぱり、先に聞いておくべきだっただろうか。

「……コドランは、ヘンリーと一緒にいたかった?私よりも?」
「まさか!おいらは、ドーラちゃんだから着いてきたんだから!それは絶対ないよ!」
「そう。なら、良かった。……スラリンは?ヘンリーとよく一緒にいたし、……寂しい、よね?」
「ピキー……」
『ヘンリー……』
「……ごめんね、先に言わなくて。……ヘンリーと、一緒にいたかった?……残る?」

 船が出たあとでも、もしかして追いかけてきたら
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