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黄昏アバンチュール
始まった新学期
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「ごちそうさま、部活行ってくるね」
「頑張れ、また明日」
「じゃあね」
そんな会話をすると、私は荷物を纏めて部室棟に急いだ。




職員室にいくと部室の鍵がもうなかったので、そのまま部室に入ろうとすると


「だめ!今はダメ!」

すごい勢いで止められた。

「早く着替えてね」
「もう、大丈夫…」

ドアを開けると、上半身裸の黒瀬くんがいた。
「いや、それアウトでしょ」
「まぁ、セーフでしょ。」

ため息をつきながら、女子スペースに入って着替えを始める。

そもそも、ここは何部なのか、体操部である。
わたし達の高校では、残念ながら肩身が狭い部活だ。
ただでさえお金もかかる上、危険な競技なので、最近は先生達からの視線がとても冷たいのだ。

私達二年生は現在四人、一つ上の学年の先輩はいないので、全部員で四人だ。
一年生の頃はもっといたのに、三ヶ月経った頃にはもう、四人になっていた。
次の新勧で一年生を勧誘しないと、廃部にさらに近づいてしまう。
なんとしても、次の新勧で一年生を入部させなくてはいけないのだ。

ちなみに、女子は一人だけ。残り三人は男子である。
時々うらやましい、などと言われるが、そもそも、私は筋肉質な男子が嫌いなのだ。体操に興味があっただけだ。



「新勧どうする?」と、隣から声が聞こえてきた。
「体育館の舞台だよね、タンブリングもしけないしそんなに技できないよ」
「とりあえずビデオは昔のがあるからそれをつかって、残り二分で演技と、片付け、だね」
「マット運ぶのも結構大変だしね…」


「とりあえずさ、体育館行ってから考えよう、準備する時間ないし」

というと、私達は体育館に向かう。

今日の種目は、床だけだ。なんとかして今日中に構成を考えないと、明日のリハーサルに間に合わない。




タンブリングを並べ、床を敷き終わったタイミングで三浦と、浅尾がきた。
「ごめん」「ごめん」
「どうしたの?」と聞くと
「江川先生に呼ばれてた」
「なんか言ってた?」
「一時間くらいしたら、新勧の、みにくるって」

最悪だ。後一時間で構成を考えないといけなくなった。あんまり難しい技は入れられないから、左右に分かれてうまくつないでいこう。トランポリンもだせるから、まあまあかたちになったものができるはず。

「集合してください、」
「今日は床だけで回します、これから練習をはじめます、気をつけ、礼」

礼をしてまず、倒立をやってから、私達新勧の練習をはじめた。



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