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lineage もうひとつの物語
序章
出立
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シルバーナイトタウンを出て西へ街道を10キロメートル付近。
背中にはリーチの長い大きな剣と小さめの盾、大きめの袋を背負い左腰には片手剣、右腰に小さい道具袋をぶら下げている。
身長は180センチ程だろうか。まだ幼さが少し残るがなかなか精悍な顔立ちである。
彼はナイト訓練所を卒業し初めて冒険者として旅立ったばかりだ。
とりあえず第一歩として隣街であるウッドベックへ向かっている。

街道は善王時代に砂漠までの道は整備され稀に迷いこむことはあるもののモンスターの姿を見ることはない。
危険があるとすれば野盗等の人間に襲われることくらいだ。
それも警備が巡回しているため滅多なことはないはずである。
道を逸れれば危険きまわりないのだが。

歩いて5日程度の予定だが砂漠の気候次第で更に日数がかかる可能性は大いにある。
街道ではたまに右にある森の奥から不気味な呻き声が聞こえてくるが気にしない。
気にすれば負けである。

何事もなく歩いて2日目の昼頃、足元に細かい砂が多くなってきた。

「そろそろ砂漠か」

そう呟き水袋を確認する。

「補給しとけばよかった」

途中で設けられた補給場所では十分残っていた為補給しなかったのだ。
戻れば1時間ほどの距離ではあるが明るいうちに予定通り岩場までたどり着き今夜の寝床を確保したい。

「どうするかな」

詳細な地図によれば小さな川が森を15分ほど入った場所にあるようだ。
どうするか迷った挙げ句森へ入る準備に取り掛かった。
愛用のツーハンドソードを持ち腰のシルバーソードを確認する。
森は骸骨姿や動く死体のアンデッドモンスターと遭遇することがあり、銀製の武器が有効だからだ。
シルバーロングソードが欲しいが高価なためそこは我慢。
最も骸骨ならツーハンドソードで砕いてしまえばいいのだが念には念を入れての銀製武器である。
そして体力回復の要であるレッドポーションをいつでも使えるよう腰の道具袋へ入れ、入りきらない分は背中の袋から出しやすいよう上のほうへ配置する。それと同時に毒消しの効果があるシアンポーションも上のほうへ配置する。
毒を持つモンスターはいなかったと思うが稀に別の地方から迷い混んだり獲物を追ってこちらまで来てしまうモンスターがいるので武器と同じく念のためだ。
これらを素早くこなしコンパスを取り出し迷わないよう方向を確認する。
森の中で迷うことは死に繋がる。間違って奥に進めばどのようなモンスターが出てくるのかわからない。自分じゃ太刀打ちできない場合もあるのだ。
比較的浅い場所では全く問題はないのだが。

「よし、いくか」

慎重に足を進めていく。
奇襲されないよう周囲に気を張り巡らせ一歩一歩進んでいく。
途中ゴブリンと遭遇したものの向こうから逃げていった
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